キーコーヒー・石光商事、資本業務提携契約を締結 「神戸と横浜の最強タッグ」

キーコーヒーの柴田裕社長は5月30日、事業活動説明会で4月28日に締結した石光商事との資本業務提携で見込む分かりやすい効果としてコーヒー焙煎事業の合理化とコーヒー生豆調達の協力の2つを挙げた。

コーヒー焙煎事業では、両社の焙煎工場を足し合わせたときにエリアの重なりがみられないことから、両社で補完し合うことで物流の効率化を図り競争力を高めていく。

キーコーヒーの工場は、宮城県仙台市(東北工場)・千葉県船橋市(関東工場)・愛知県春日井市(中部工場)・佐賀県鳥栖市(九州工場)の4ヵ所にある。

石光商事も国内に4ヵ所の焙煎工場を持つ。

その内訳は、連結子会社の東京アライドコーヒーロースターズの東京と横浜の計2ヵ所、同じく連結子会社の関西アライドコーヒーロースターズの神戸と大阪の計2ヵ所となっている。

生豆調達については、石光商事の各産地との深い関わりや産地に精通した人材に期待を寄せる。

「石光商事様の産地への関わり方はとても素晴らしく、深くて太い。人材も豊富。逆に石光商事様は当社に対して、全国の喫茶店や流通のお客様を含め市場へのプレゼンスがしっかりしているところをご評価下さった。お互いに生産地から飲用者までしっかりつながったコーヒーのラインを作るという点でしっかり取り組んでいける」と柴田社長は語る。

石光商事はキーコーヒーの“14年先輩”にあたり1906年(明治39年)に神戸で創業。その後、1920年(大正9年)にキーコーヒーが横浜で創業した。

柴田社長は、両社の創業の地を引き、今回の提携について「神戸・横浜の最強タッグでコーヒー市場にしっかりと貢献していきたい」と意欲をのぞかせる。

一方、石光商事の石脇智広社長は「本件、キーコーヒーさまの企業姿勢に対する信頼と共感が根底にある。ブランド力、販売力を有する同社とのパートナーシップにより当社が推進する『食の幸せ創り』がより実りあるものになることを期待している」とコメントを寄せる。

キーコーヒーはかねてから石光商事の株式を1.25%、東京アライドコーヒーロースターズの株式を3.04%、関西アライドコーヒーロースターズの株式を15%保有している。

今回、新たに東京アライドの株式を取得し、東京アライドの持株比率を15%に高めた。

資本関係を深めることで、将来に向けた価値を両社で作り上げていく構え。
 
焙煎事業の合理化とコーヒー生豆調達の協力に加えて、食品輸入業務のシナジー効果も見込み、長期的にはカーボンニュートラルに向けた技術の共有化も推進していく。