抹茶ラテ飲料ブームから3年目 火付け役となった「綾鷹カフェ」の今

2021年3月に発売開始されたコカ・コーラシステムの「綾鷹カフェ 抹茶ラテ」は、その年勃興した抹茶ラテ飲料ブームの火付け役となった。

ブームから3年目に突入した今、抹茶ラテ飲料市場は、ほうじ茶ラテなどを加えて領域を広げ、日本茶ラテ飲料市場、あるいは和ラテ飲料市場へと発展。パイオニア的存在の「綾鷹カフェ 抹茶ラテ」は「綾鷹カフェ」シリーズの一商品として日本茶ラテ市場の中核をなしている。

「綾鷹カフェ」シリーズの22年販売実績は前年を上回った。

この要因について、取材に応じた日本コカ・コーラの助川公太緑茶事業部部長は「レシピ提案など新しい飲み方・楽しみ方を継続してお客様に提案してきたことと『ほうじ茶ラテ』やホット商品をラインアップに加えたことで成長が促進された」と説明する。

往時に比べ、抹茶ラテ飲料市場や日本茶ラテ飲料市場の伸びは鈍化しているとみられるが、各社の積極的なマーケティング活動によって日本茶ラテ市場は一定のボリュームを占めるまでに拡大したという。

「日本茶ラテ市場は今年になってトレンドとしては停滞しているが、一定の市場規模を確保するレベルに達した。ラテ系ペットボトル飲料市場の中で、日本茶ラテ飲料市場は10%を占めるまでに成長しており、今後は確立された市場をさらに伸ばすことを意識して取り組んでいく」と意欲をのぞかせる。

左から「綾鷹カフェ急須珈琲ブラック」と「同 ラテ」(日本コカ・コーラ) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
左から「綾鷹カフェ急須珈琲ブラック」と「同 ラテ」(日本コカ・コーラ)

今年は「綾鷹カフェ」の認知拡大と新たな飲用層の獲得に向けて、お茶などを急須で淹れる手法をヒントに日本茶とコーヒーを組み合わせた「急須珈琲」を開発。4月3日に「綾鷹カフェ急須珈琲ブラック」と「同 ラテ」の2品を新発売した。

既存の無糖のお茶だけに捉われない様々なお茶の楽しみ方を幅広い層に向けて伝えていきたいという思いから開発されたのが「綾鷹カフェ」。

この思想をベースに発売された「急須珈琲」の狙いについては「何か新しい提案を考えたときに、嗜好品同士の組み合わせに引き合いがあることが事前の調査で分かった。嗜好品の1つであるコーヒーと組み合わせて、急須をフックに提案すれば若年層など新しいお客様を取り込むことができると考え、『抹茶ラテ』や『ほうじ茶ラテ』とはまた違う新たなチャレンジをさせていただいた」と語る。

出足の状況としては、想定どおり若年層の新規ユーザーの獲得で手応えを得る一方で、トライアル獲得の課題が浮上。

「どのような製品か分からず、手が出せないという層がおられるのも事実。例えば『急須珈琲ブラック』の場合、POPで“抹茶とコーヒーで丸みのある苦味が楽しめる”などと訴求できると手に取っていただける傾向にあるが、POPなどでサポートしにくい自販機やコンビニチャネルについてはまだまだ改善の余地がある」と述べる。

「綾鷹カフェ」既存商品の「抹茶ラテ」と「ほうじ茶ラテ」はパッケージデザインを刷新して4月10日から発売している。

「綾鷹カフェ」全体の取り組みとしては「展開してからまだ3年目のシリーズのため、しっかり認知していただくことを意識した活動をしていく」。
 この考えのもと、店頭では「綾鷹」本体と「綾鷹カフェ」を連動させた売場づくりに取り組むほかデジタルを有効活用したコミュニケーションを展開していく。

EU農産品  - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)