4.1 C
Tokyo
4.9 C
Osaka
2025 / 12 / 13 土曜日
ログイン
English
農水畜産業ナッツ・ドライフルーツ豪州産ナッツ 世界市場で存在感高まる 対日輸出拡大へアピール

豪州産ナッツ 世界市場で存在感高まる 対日輸出拡大へアピール

先月下旬に開催された「オーストラリアナッツフォーラム」では、来日した生産者団体や輸出企業が同国産ナッツの特徴や生産状況などの最新情報を紹介。今後の展望について説明した。

主催したオーストラリア大使館のエリザベス・コックス商務担当官によれば、同国では約10万5千haの農地でアーモンド、マカダミアを中心としたナッツの栽培が行われ、年間生産量は約19万5千t。世界で7位のナッツ生産国としてアジア、欧州をはじめとした世界65か国以上に輸出を行っている。日豪EPAが発効した15年以降は、日本でも豪州産ナッツがより身近な食品として浸透しつつある。

「オーストラリアのナッツ産業は、国家的な成功物語。年間生産額は12億豪ドル(約1千億円)に達し、地方経済にも大きく貢献している。生産の自動化や水利用効率の向上、生物的防除法などによる環境負荷低減とともに、高い食品安全基準、サプライチェーンの安定性などが評価されている」(コックス氏)。

アーモンドは世界生産量の8割を占める米国産の供給状況で価格も左右されるが、オーストラリア産も近年は生産が拡大傾向にある。オーストラリア・アーモンド協会のルー・マーティン氏によれば、4月にかけて収穫が行われた今年のアーモンド生産量は前年比約1割減の12万5千tとなったものの、来シーズンは16万t以上への躍進が見込まれるという。

「過去10年にわたりアーモンド産業は順調に輸出を伸ばし、50か国以上に出荷している。今後のグローバル市場でも引き続き成長が期待される」(マーティン氏)。近年は生産者が自ら農園のサスティナビリティの評価を行えるオンラインシステム「アーモンド・ホート360」も導入し、持続可能な生産を目指している。

オーストラリアが主産地である同国原産のマカダミアナッツは、国内に約800の生産者が存在。年間5万t以上を生産し、うち8割以上を海外に出荷する。同国にとって輸出量4位の重要な農産物だ。

オーストラリア・マカダミア協会のジャッキー・プライス氏は「アーモンドをはじめとした主要ナッツの最大供給国は米国だが、マカダミアはオーストラリアがトップ。クリーンでエコな生産者としても知られている」とアピール。「日本でも人気のナッツであるマカダミアには、今後の成長へ大きなチャンスがある。機能的価値と情緒的価値の両面を兼ね備えた幅広い魅力とともに、ナッツの中でも高いプレミアム感も利点だ」として、幅広い用途に対応して様々な形態での供給が可能であることなどを紹介した。

また料理研究家の脇雅代氏が、豪州産ナッツを生かした様々な料理メニューを考案。フォーラム後の会場で試食が提供された。

関連記事

インタビュー特集

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。