エスビー食品 3次中計を策定 長期目標で海外拡大へ

エスビー食品は5月12日、2024年3月期~2026年3月期を対象年度とする第3次中期経営計画を発表した。「おいしく、健やかで、明るい未来」に向けて長期テーマと重要課題を定めたうえで、3か年の経営計画を策定。24年3月に調理済食品事業(23年3月期売上高132億円、営業利益7億円)の譲渡を予定するなか、26年3月期に売上高1千207億円(23年3月期1千206億円)、営業利益64億円(同53億円)、売上高営業利益率5.3%(同4.5%)、ROE6.0%(同6.6%)を目指す。

長期テーマの一つとして20年後の43年に海外売上高比率40%超(23年3月期7%)を目指す。スパイス&ハーブの機能性研究・産地開発、グローバル人材・デジタル人材・研究者育成投資にも取り組む。さらに重要課題として食の安全・安心、地球温暖化・気候変動、食品廃棄(フードロス)の発生・増大、食品容器に起因する環境問題、食のニーズの多様化への対応、食による健康被害の発生などを掲げた。

3次中計の基本方針は「『知の恵み スパイス&ハーブ』を核とした事業により、世界の食の進化・発展と、持続可能な未来の実現に貢献します」。重点戦略として価値ある製品の提供、成長分野への投資、持続可能な事業の実現、人と組織の活性化、地球との共生を定め、それぞれ重点施策を掲げた。

「価値ある製品の提供」ではスパイスとハーブに関する事業のさらなる拡大、高付加価値製品、健康訴求型製品の強化を、「成長分野への投資」では海外事業、EC事業の強化、新規事業、新規市場に関する積極的な取り組みを進める。「持続可能な事業の実現」では高利益体質に向けた事業の再構築など、「人と組織の活性化」ではダイバーシティ&インクルージョンの実現など、「地球との共生」では持続可能な調達の推進などに取り組む。

3次中計では財務目標に加え、非財務目標も設定。品質保証部門と各工場による「品質保証協議会」の実施率で100%、石油由来プラスチック製パッケージ削減率で20年度比3%減、家庭用レトルト製品のレンジ対応化率で40%を目指すほか、主要香辛料、パーム油、紙の持続可能な調達を推進する。

男性・女性の新卒採用比率それぞれ40%以上、男性の育休取得率80%、年次有給休暇取得率80%、従業員エンゲージメント指標の向上率5%増(22年度比)、レシピサイト掲載の減塩レシピ数60レシピ、カレー製品(即席ルウ、レトルト)の塩分削減率1.5%(20年度比)、「食事」「運動」「睡眠」に関する生活改善プログラムの実施率70%、保健師・栄養士による特定保健指導の実施率100%(期間累計)を目指す。