東海キヨスク「客数・販売数増」へ商品力強化 取引先向け営業説明会を開催

東海キヨスクは4月26日、取引先メーカー約350社を招待し、「2023年度 営業説明会」を開催した。当日は、加藤公一社長が商品政策や店舗展開などを中心に今期営業方針についてのアウトラインを説明。また先頃発表したジェイアール東海パッセンジャーズ(以下JRCP)との今秋の合併に関しても、その背景や狙いなどが語られた。続いて早川信博取締役専務執行役員営業本部長が具体的な営業政策について解説した。

冒頭あいさつで加藤社長は、「新幹線輸送量の回復に伴い、当社が運営する店舗も前下期以降かなり好転している。4月は土日だけ見れば、輸送量はコロナ前比で9割超まで回復しており、観光のお客様がビジネスよりも早く戻ってきたとみられる」と直近の手応えを述べた。

今期方針としては、前年に引き続き「客数・販売数を増やす」を標榜。そのための主要施策として①東海キヨスクの店舗を目的地とする客層をつくる②入口の見直しやデジタルサイネージの設置などで素通りしていた鉄道客を店舗に引き込む③レシートクーポンなど再来店してもらう仕掛けをつくる④POP等の活用で買い回り客に購買の動機づけ、プラスαの購入を促す⑤EC販売により全国にマーケットを拡大する――の5点に取り組み深耕を図る。

JRCPとの合併については、今年10月1日付で実施し、新社名「JR東海リテイリング・プラス」として新生スタート。旧2社から継承する「駅構内小売事業」「FC事業」「新幹線車内販売事業」「弁当製造事業」の4事業をさらに成長・発展させ、現在約835億円(東海キヨスク+JRCP)の売上を早期1千億円へと引き上げたい考え。

「1千億円はJR名古屋タカシマヤと同水準。今回の合併によりJR東海グループの流通部門に2本の柱ができることになる」(加藤社長)。

早川取締役からは、「商品力・商品販売力の強化」と「店舗開発等の推進」の2点について具体的取り組み事例を紹介。

特に鉄道関連企画では、「22年は新幹線のぞみ30周年や鉄道開業150年にちなんだ商品を多数展開し好評を博した。来年(24年)は東海道新幹線開業60周年の節目の年。それに向けて新たな企画を構想している」とする。

店舗展開面では、23年度は7店舗の改装を予定。独自性の高い品揃えの自販機の設置や臨時売店・イベント出展なども積極化していきたいとした。