ピックルスHD 売上拡大へ開発強化 漬物・惣菜・冷凍食品など

漬物最大手のピックルスコーポレーションを中核とするピックルスホールディングス(埼玉県所沢市)は製品開発の強化、販売エリアや販売先の拡大、新規事業の推進により企業のさらなる成長を目指す。基盤である漬物でシェアアップを図るとともに、惣菜商品や冷凍食品を開発し量販店へ提案を進める。

同社は今後の成長戦略として、製品開発強化、販売エリア拡大、販売先拡大、新規事業の4つをあげている。製品開発については、コロナ禍におけるライフスタイルの変化が継続すると見ており、簡便性のあるおつまみや製品の開発をこれまで以上に進める。

主力の「ご飯がススムキムチ」は前期好評だった増量を今期も実施する。浅漬は、伸長中のおつまみカテゴリーに角カップのオクラやキャベツなどの商品で対応する。漬物市場はピーク以降漸減し、近年も停滞しているが、その中でもしっかり売上をアップし、市場シェアを高める。

また、成長市場である惣菜商品の開発に力を入れる。既存商品(ナムル、サラダ、ピリカラ胡瓜など)の見直し、家飲み需要に合致した商品の開発、健康志向を考慮したドレッシングを使用したサラダの開発に注力する。さらに、冷凍食品の開発に取り組む。キムチや惣菜などを量販店向けに販売開始した。

販売エリア拡大については、特に西日本エリアへ注力する。販売先拡大については、漬物売場や惣菜売場に続き、豆腐・納豆売場向けの商品も開発し提案を進めている。最近は冷凍食品売場への提案も開始し、量販店内で売場を広げ、売上拡大を図る。

新規事業では、子会社のOHが埼玉県飯能市で外食と小売事業を実施。また、子会社のピックルスファームは埼玉県内で農業事業を実施し、小松菜やさつまいもを生産している。

これらの取り組みにより、26年2月期の売上高は430億円を計画している。同社グループは、漬物や惣菜業界では唯一の全国を網羅した生産・物流体制を構築している。同社ならではの強みを生かして成長を目指す。

 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)