伊藤忠食品 新中期経営計画が始動 「Transform2025」~創造と循環~

伊藤忠食品は、今期から3か年の新中期経営計画「Transform2025」をスタートさせた。最終25年度の目指す姿として「食を中心とする領域での共有価値の創造と循環~社会的価値と経済的価値の両立~」を掲げた。サイネージ事業など、前中計で取り組んできた消費者起点のビジネスモデルを加速させるとともに、社会的価値と経済的価値の双方に資する価値を創造し、製配販3層と消費者を含めたサプライチェーン全体で共有・循環することで、持続的な成長実現につなげる。

前3月期決算は売上高6千430億円(前年比4.9%増)、経常利益89億円(22.9%増)の増収増益で着地。低重心経営を徹底し、収益改善につなげるとともに、先行投資と将来不安を払拭する減損処理を実行しながらも、税引き後利益は4期連続で増益を達成した。

岡本均社長は「前中計(20―22年度)は、想定外のコロナ禍に直面したが、既存ビジネスに加え、サイネージや惣菜、物流など重点分野の取り組みが着実に進んだ」と総括。消費者起点のビジネスへの着実なシフトと、人事制度改革やダイバーシティ、DX、環境対応など持続的な成長実現に向けた基盤構築を推進。経営改革による体質強化が進み、激しい環境変化の中でも着実に計画を達成しながら成長を実現してきた。

サイネージ事業は全国62チェーン約1千700店舗に導入が拡大。商品価値を伝えるコンテンツの配信や売場作りに貢献している。惣菜では小売業のデリカ部門に対する提案強化と「凍眠市場」のブランド展開が加速。惣菜系商品の対応強化と食品ロス削減にも寄与している。物流ではセンター運営の効率化と同業他社との協業による物流コスト抑制に努め、メーカー物流の受託による物流収入の獲得も進んだ。

これら前中計の成果を踏まえ今期からの3か年中計では、重点分野(情報・商品開発・物流)の深化と、将来に向けた人的資本経営の高度化を進める方針を示した。

「情報」では、店頭サイネージを積極的に活用し、消費者のインサイトから得た情報を製配販のサプライチェーンで循環することにより、価値創造のエコシステムを構築。デジタルメディアとの連携やデータに基づいた施策立案・実行・効果測定の取り組みも加速させる。

「商品開発」では、多様化する消費者の幅広いニーズを充足する商品を拡充。消費者起点による小売デリカ部門への提案、「凍眠市場」をはじめとする冷凍チルド商品の強化、ブランド商品の開発を進め、食品ロス削減など社会課題の解決と経済的価値の両立を目指す。

「物流」では、2024年問題に向けた製配販の連携、同業卸との協業、サプライチェーンの最適化やデジタル技術を活用したオペレーションの高度化・効率化を進める。

そのほか、非財務目標では従来からのCO2排出量削減、食品ロス削減、女性管理職目標、健康経営推進に加え、プラスチック排出量削減、男性育児休業取得率などを新たに設定した。

なお、定量計画は単年度目標をベースに、安定的財務基盤の構築と利益成長に応じた株主還元を推進。生活防衛意識の高まりとコスト上昇を踏まえ23年度は営業・経常利益は減益を予想しているが、最終利益は5期連続で増益を確保する計画。岡本社長は「低重心経営を徹底し、最も重視する税引き後利益は着実にプラスを目指す」と語った。

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