家庭用冷凍食品市場でダウントレンドにあったお弁当商材が復活の兆しを見せている。インテージSRI+データによると、同カテゴリーの前年比は22年9月~23年2月まで6か月連続でプラス。背景には行楽需要の回復や節約志向による弁当持参の増加があるとみられる。有力メーカーは「定番の単品力アップを実感している」と口を揃え、引き続き既存品のブラッシュアップと新規メニューの投入で活性化していきたい考えだ。
インテージの市場データでは、お弁当カテゴリーは18年から22年までの4年間で約2割も縮小した。特にコロナ禍における外出自粛のダメージが大きく、内食特需で躍進した麺類・総菜・おかず・米飯類などと対照的な動きを見せた。とはいえ、家庭用調理品(冷凍野菜含まず)の中でお弁当は約13%を占め存在感は大きい。店頭で棚が減らされながらも、有力メーカーは粘り強く定番品の販売に注力してきた。その結果、「お弁当売場は縮小したが、逆に定番のロングセラー商品が目立ち選ばれやすくなった」との見方が有力だ。
ニチレイフーズは、主力品「お弁当にGood! ミニハンバーグ」「同パリパリの春巻」をはじめ、大人のお弁当からおかず・おつまみまで広く使える「かぼす醤油の鶏むね天」「鶏ごぼう天」なども好評、弁当カテゴリーが市場平均を上回る推移となっている。
味の素冷凍食品は「エビ寄せフライ」「それいけ!アンパンマンポテト」、マルハニチロは「えびとチーズのグラタン」「ソースとんかつ」、テーブルマークは「のりっこチキン」「北海道栗かぼちゃコロッケ」などの売れ行きが良い。
ニップンも定番アイテムが復調。23年春は「お弁当 たらこスパゲッティ」などを対象に原料の使用アレルゲンを削減し、より多くのユーザーが安心して利用できる商品を目指した。ケイエス冷凍食品は看板商品「鶏つくね串」が根強い人気。今年は発売30周年を記念したキャンペーンなどを通年展開し盛り上げる。