業務用コーヒー市場が回復傾向にある中、人手不足や原材料の調達、原材料の高騰が喫緊の課題であることがUCCグループで業務用サービス事業を展開しているUCCコーヒープロフェッショナルの発表で浮き彫りになった。
3月28日、展示商談会「UCC Smile Festa2023」の東京会場で発表した川久保則志社長は、直近の状況について「(当社の業績は)1月、2月と好調で、1月については19年度を大きく上回り、マーケットは本当に活性化し始めていると実感している」と語る。
既に開催された名古屋会場と大阪会場で多くの来場客から川久保社長に寄せられた声としては人手不足と卵の品薄を挙げ、この中で卵については「卵の代替品を展示商談会のメーカーブースで前面に押し出している」とアピールする。
橋本樹一郎副社長は、業務用コーヒー市場の今後の見通しについて「(コロナ前の)19年対比でもマーケットが戻ってきているというのは、我々の日々の取引状況や注文状況からも感じ取れる。我々の強いセグメントであるホテルの宴会需要はなかなか戻っていないが、そこを除けばマーケットは力強く戻ってきてくれる」との見方を示す。
コロナ禍で拡大したデリバリー・テイクアウト需要については「リアルの復活がどんどん進んでいくとはいえ、デリバリーなどとの併用が進んでいく社会が生まれてくる」とみている。
展示商談会では、人手不足の課題に対して「#ベーシックアップデート」のコーナーでソリューションを提案。「クイックオペレーションとしてサンドイッチなど、お店側のお手間を最小化しておいしくご提供できるような提案をしている」と説明する。
コロナ禍で家庭内コーヒー市場がレギュラーコーヒーを中心に拡大し、生活者の味覚水準が向上したとの見方から、会場では家庭用を上回る高付加価値コーヒーを提案。
その一例に、業務用ブランド「ラルゴ(Largo)」や「FOB(Fresh Order Blend)」と称するUCC独自のブレンドシミュレーションが挙げられる。