ナッツ・ドライフルーツの輸入販売や商品開発を手掛けるデルタインターナショナルは、今年で創立30周年を迎える。これを記念したパーティーが16日、都内のホテルで行われた。
同社は1992年10月設立。菱沼正克創業取締役が前職の全日空商事から独立し、米フレッシュパシフィック社で社長を務めていた故・若菜前社長と共同で立ち上げた。
あいさつした京果グループCEOでデルタインターナショナル会長の内田隆氏は「当時はバブル崩壊直後の逆風の中での船出。京果グループのローヤルが経営基盤を構築する役割を、フレッシュパシフィックが世界の優良なサプライヤーからの仕入れを、そして創業取締役の菱沼が世界のナッツ・ドライフルーツを日本に販売する役割を担い、『三角』を意味する『デルタ』を社名に掲げた」と説明した。
設立直後は業界内での風当たりも強かったものの、青果販売企業ローヤルの販売力を支えに事業が軌道に乗り始める。海外有力サプライヤーとの縁を得て、カリフォルニア産アーモンドの輸入販売を皮切りにレーズン、プルーン、くるみなどへと扱い品目を広げた。
原料販売にとどまらず、量販チェーンのナッツやドライフルーツを一手に引き受けるなどして業容拡大。2010年以降はナッツブームの波に乗り、目覚ましい急成長を遂げた。
「DELTAの未来」と題して語った鳥海敬社長は「デルタは全員が主役のような会社。創立30年を大きな転換期として『自創』のステップに進みたい。『自創』とは一人ひとりが考え、新しいことを創造すること。常に一人ひとりが自創することを考え、社員それぞれが自創する組織を目指す」と宣言。
「デルタが持つ特性、グループ会社、パートナーとのネットワークを生かして、価値ある商品を安定的に供給することもデルタの大切な役割。業界の常識にとらわれず新しい未来を創ってきたことが、企業文化となっている。歩みを止めず次の10年20年へと前進していく」と述べた。
菱沼氏は「30年間いろいろあった。失敗は数えきれないほど。でも数%の成功があり、なんとかやってこられた」と回顧。「創業者の一人である若菜は『仕事は楽しくやらなきゃだめだぞ』と言っていた。いま自分は楽しくやっているだろうかと自問自答。同時に、目標に向かっていくことの大切さも学んだ」と語った。
各国サプライヤーらもこの日のために来日。これまでへの感謝と未来への展望を語った。また菱沼氏の高校時代の同級生で、ナッツブームの仕掛け人の一人でもある慶應義塾大学の井上浩義教授が「抗酸化作用とナッツ」と題する講演を行った。