14.3 C
Tokyo
10.4 C
Osaka
2025 / 11 / 28 金曜日
ログイン
English
トップニュースアイスクリーム市場3%増 価格改定の影響ほぼ見られず 踊り場脱し過去最高売上
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

アイスクリーム市場3%増 価格改定の影響ほぼ見られず 踊り場脱し過去最高売上

コロナ3年目を迎えた22年度のアイス市場は、上期に夏場の猛暑と適度な残暑や、下期に各社注力した「冬アイス」で需要を喚起する施策が奏功し、過去最高売上高の5千400億円、前年比3%増で着地を見込む。市場は17年までの10年間で3千500億円から5千億円へと急成長したが、18年以降の4年間は踊り場状態が続いていた。今期は夏の猛暑が味方し上期を3%増で通過、下期も想定外の天候に翻弄されることもなく、上期の貯金を下期につなぐことができた。

今期は、幅広い喫食シーンの提案やSNSの活用、魅力のある新商品などで春先から好調にスタートした。暖かい気温や値上げ前の仮需を味方につけた4~5月は市況が3%を超えたが、6月は異例の早さで夏が到来したかと思えば戻り梅雨に苦戦、7月に4~5月の貯金を切り崩した。その後は雨や台風の影響はあったものの、猛暑に見舞われた8月と適度な残暑の9月と続き、上期は3%増での着地となった。

下期は冬の始まりを感じる寒さで10月が7%減(昨年15%増)となったが、11月は暖かな気候で8%増と絶好調で盛り返し、12月はたびたび強い寒気に襲われたが「冬仕立て」のアイスや特別感のある限定品の好調から4%増で通過、1~2月は前半の暖かな気温が味方し、価格改定を控える3月を前に仮需が発生したことも数字を引き上げた――というのが今期の流れになっている。

昨年6月以降、大手メーカー各社は価格改定を実施した。アイス市場は天候要因が大きく影響の程度が読みにくいが、「想定ほど大きな消費減退にはつながらなかった」というのが多くのメーカーの見解だ。日本アイスクリーム協会が昨年10月に15歳以上の男女1千400人を対象とした調査によると、前年よりもアイスクリームの購入機会が「増えたと思う」人は約40%で、「減ったと思う」の9・3%を大きく上回った。「変わらないと思う」は約51%。アイスに「価格以上の価値がある」「価格に見合った価値がある」と答えた人はあわせて約85%だったことからも需要の底堅さがうかがえる。

今春は「ガリガリ君」(赤城乳業)、「サクレレモン」(フタバ食品)、「チョコモナカジャンボ」(森永製菓)、「あずきバー」(井村屋)などロングセラーのリニューアルのほか、森永乳業の「パルム」初のチョコミント、ハーゲンダッツ ジャパンが満を持して発売する体験型新シリーズ「スプーン クラッシュ」や原材料に生乳のみを使用した明治の「明治 ディアミルク」など豊富なラインアップで市場を活性化していく。

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点