カナダ豚肉業界の輸出プロモーション機関であるカナダポークの、トレバー・シアーズ会長兼CEOがこのほど来日。日本ディレクターの野村昇司氏、日本事務所の新マーケティング・マネージャーとして着任した木村憲氏氏とともに17日に会見を行った。
日本のカナダ産豚肉輸入量は、昨年は11%減と低迷。コロナ禍による生産停滞や、カナダ産地の洪水被害による物流混乱、海上輸送の遅延に加え、急激な円安による影響も受けた。
「一時は1ドル=150円まで円安が進んだ。これは豚肉の価格にすると20~30%の上昇となり、大きなダメージを受けた。また飼料や輸送費などさまざまなコストアップが重なり、相場も高騰している。これらを克服することが目下の課題だ」。トレバー氏が説明した。
「日本はカナダポークにとって今後も非常に重要な市場であることに変わりはない。引き続き、高品質で安全なポークを日本に提供していく。過去10年にわたる市場拡大は、日本の皆さまにカナダポークの品質や安全性をご理解いただけたからだと考えている。野村氏とともに13年カナダポークで仕事をして非常によい結果が出せた」(同氏)。
前職のイオントップバリュで海外食品の調達を担当してきた木村氏は「今の日本では、カナダポークはコモディティ商品のため価格を上げづらい。ただ今後は、商品をどこでどんな人たちが作っているかといったバックグラウンドをお客様目線で伝えていく必要がある」との認識を表明。
「マスク着用が自由化され、スーパーでも消費者と接する機会が徐々に増えてきている。これを機会に再スタートを切る。おいしいというだけでなく、なぜおいしいか、品質面、環境への配慮も伝えられるような活動を展開していきたい」と、就任にあたっての抱負を述べた。