3月13日からマスクの着用が屋内・屋外を問わず個人の判断に委ねられ、スーパー・量販店などの小売店では、外出機会増加に伴い需要拡大の機運が高まる。
この日に先立ち3月1日の時点で「トラベル商品が圧倒的に伸びている」と語るのは、イオンリテールの伊藤竜也営業企画本部長。
「トラベル用品はコロナ前と比べても伸びており、リバウンド需要が既に出ているが、マスク着用が緩和されたときに、今まで抑えられていたものが一気に出て大きく伸びるだろうと考えている」と期待を寄せる。
新型コロナウイルスの感染症法上の分類を5月8日に2類相当から5類に引き下げられる政府方針により「小売業の店舗における新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」は5月8日に廃止される。
同ガイドラインでは、試食の際は、試食用の容器などに小分け・カバーした上でトレーなどに置いて顧客が自ら取る方式などが定められているが、5月8日以降は、制限の少ない積極的な販促活動が可能となる。
一方、家庭内需要を取り込んで伸ばしてきた商品や業態は、外出機会の増加が吉と出るか凶と出るかは不透明だ。
ローソンのチルド和洋菓子は22年度、コロナ前の19年度比で約110%を記録した。
今後の市場環境については、3日開催された新作スイーツ説明会で、ローソンの吉田祐子商品本部ベーカリー・デザート部シニアマネジャーは「コロナ禍になってから、カフェや洋菓子店で買いづらいといった影響も受けて、コンビニの身近なところでご褒美スイーツとしてご購入されていたお客様が結構いらっしゃった。マスクの着用が緩和されたときに、どうなるのか、消費者動向に注視しながらいろいろ開発していきたい」との見方を示す。