「コロナ禍による低迷から完全に脱した」。トーホーの古賀裕之社長が10日のオンライン決算会見で語った。23年1月期連結は主力の業務用卸(ディストリビューター=DB)事業の販売増などで売上高は前期比二ケタ増収、営業利益は増益と販管費減で3期ぶりに黒字化し過去最高。24年1月期は食品スーパー事業譲渡で減収も、増益を予想する。
連結決算は、売上高14.3%増の2千155億7千200万円。特にDB事業が「外食産業に人流が戻った」(古賀社長)ことで、コロナ禍前の6.8%減までに回復。特に第4四半期(22年11月―23年1月)はコロナ禍前同期比で2.7%減にとどめ、「コロナ禍前とほぼ同水準まで回復」(同)とした。
営業利益は前々期の4億円強の赤字から、40億円積み増し、36億4千900万円の過去最高、経常利益も38億7千700万円の黒字化で過去最高となった。当期純利益は、スーパー事業の譲渡損失や子会社ののれんの減損損失などの特別損失31億9千万円を計上したが、10億600万円の増益で着地。利益増の要因について古賀社長は「得意先としっかりコミュニケーションを取り価格改定を進めたこと」「PB商品構成比増」「販管費がコロナ禍前を下回った」ことを挙げた。
セグメント別売上高と構成比は、DB事業が前期比20.1%増の1千482億8千300万円(構成比68.8%)、C&C事業が7.7%増の386億4千400万円(17.9%)、譲渡する食品スーパー事業が8.1%減の161億4千500万円で、営業利益は7億円強の赤字。外食向け調理機器や業務支援システムなどのフードソリューション事業が7.3%増の124億9千900万円。
DB事業では、外食の既存先の回復に加え、新規開業のホテルや商業施設などの新規開拓のほか、前期にプロジェクトを立ち上げ強化したケアフード・中食事業は、それぞれDB事業における構成比は「数%」(同社)とまだ小さいが、売上高はケアフード7%増、中食15%増と伸長。
今期売上高は、DB事業は引き続き飲食店への販売増で5.1%増を見込むが、スーパー事業の売却で、全体は0.7%減。営業利益は4.1%増の38億円と「引き続き過去最高を目指す」(同)とした。