日本冷凍食品協会 認定工場のレベルアップが顕著 「品質向上に貢献」木村専務理事

日本冷凍食品協会は、50年以上にわたり冷凍食品工場の認定制度を運用しているが、近年は認定工場のレベルアップが顕著になっている。直近では会員341工場のうち94%の322工場が一定基準をクリアし、認定有効期間最長の「4年工場」となった。木村均専務理事は「1970(昭和45)年の制度開始以降、世の中の動向や国際的な変化にあわせて中身をブラッシュアップしてきた。品質および衛生管理の向上に大きく貢献できている」と手応えを話した。

制度は発足から部分改定を重ねた後、2009年度版から経営理念重視の品質保証システムに対応するため高度な「冷凍食品認定制度」に移行。ハード面(施設・設備)に加え、ソフト面(品質・衛生管理体制)の基準も厳格化した。あわせて各工場の達成状況に応じた定期検査や工場指導の仕組みを導入。また17年度版ではガバナンスや食品防御など危機管理の要素を盛り込み、「FSSC22000」「ISO22000」など国際規格に準拠した内容に改定。最新は2021年度版として要求事項の明確化などを行った。

検査は当初より日本食品検査(JFIC)に委託。定期点検は、約40人の検査員が全国に点在する会員工場をすべて毎年訪問して実施する。認定の有効期間は、3分類された各基準の評価点がすべて80点以上なら「4年工場」、70点以上なら「3年工場」、60点以上なら「2年工場」。認定を受けた工場で製造する冷凍食品には認定証マークを貼付できる。

4年工場の割合は、10年前は7割に満たなかったが、6年前に72%、4年前に85%と上昇、直近は94%に達した。また21年4月には4年工場のうち特に評価点が高い「優良工場制度」を導入。132工場が認定され、定期検査の回数を2回から1回に減じることを可能とした。なお、そのうち63工場は年1回に移行したが、69工場は従来通り年2回の点検を希望した。

協会の朝川良徳品質・技術部長によると「外部の定期的な点検を通じ、情報交換などのメリットも感じていただけているようだ」。