高校生はこう見る 廃棄牛乳の有効活用へアイデア披露 日本乳業協会

一般社団法人日本乳業協会がこのほど開催した第108回「牛乳・乳製品から食と健康を考える会」で、牛乳の成分特性を生かしたプラスチック容器への再利用や、「レトロ可愛いパッケージ」「SNS映えする商品」など、高校生ならではの消費拡大策が発表された。

洗足学園中学高等学校2年生の中川杏香さんと松永凛々子さん(写真左)は、廃棄用牛乳の有効活用として、「カゼインプラスチック」で作る幼児用食器を考案。牛乳に含まれるたんぱく質であるカゼインに酸を加えて生成したプラスチックは、耐熱性・耐薬品性・耐咬合性を一定程度有し、アレルギーの人を除き安全性の面でも優れているという。

校内137人を対象に実施されたアンケート結果を受けて、果物の種類で色の変化を楽しむことや、ビタミン・カルシウムなど栄養豊富な「ミックスフルーツジュース」を提案した。アンケートでは、牛乳を飲む頻度は「嗜好品に入れる程度(コーヒーに入れる程度)」と「毎日1杯以上」がともに20%以上だった結果を示した。

参加委員からは「現在、牛乳の在庫はバターや脱脂粉乳への活用などで対応しているが、新たなもので産業を興せば酪農家貢献にもつながる」という声や、「昔は自宅で牛乳を飲むのが普通だったが、今は特別な場所に行かないと飲まないのだと感じた」といった感想が聞かれた。

日本乳業協会の沼田一政専務理事はアンケートの結果を受けて、「牛乳が嫌いという人が少なく、好きな人が多いのは嬉しい半面、『どちらでもない』人が多い。業界やメーカーからは様々なメニューやレシピが出ており、これらを通して牛乳の消費につなげてほしい」など語った。

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