ドリンクに「泡アート」印刷 飲食チェーンで導入広がる リップルズ

カフェラテなどドリンクの泡にカラフルな文字や絵柄を描く「泡アート」。“写真映え”に敏感な消費者がSNSや口コミサイトに投稿。店舗の集客やブランドアピールにもつながるとして、カフェや居酒屋などで“泡のマーケティング”が関心を集めている。

その仕掛人となったのが、イスラエルに本社を置くリップルズ社。これまでバリスタの技・経験に頼っていた「泡アート」だが、誰でも簡単に全自動・短時間で泡に印刷できる専用機器「リップルメーカー」の導入が拡大している。

「リップルメーカー」を前に高梨諒氏(リップルズ) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「リップルメーカー」を前に高梨諒氏(リップルズ)

リップルズ社の日本事業統括・高梨諒氏は「日本では2018年から販売を本格化した。クラウド上で約1千500種類のデザインを提供。専用機器をWi-Fiに接続し、ニーズに合ったデザインをダウンロードして使用する。独自制作のデザインや写真素材を機器ごとに印刷設定することも可能だ。消費者に『感動の泡体験』を提供し、マーケティングに『泡』という選択肢を加えていただければ」と抱負を語る。

サントリーでは「プレミアム・モルツ」提供店の一部で「リップルメーカー」を導入。クリーミーな泡でなければ印刷した文字や絵柄の輪郭が崩れてしまうため、導入対象はサントリーが『神泡超達人店』と認定する店舗に限られる。現在、全国約1千800店の『神泡超達人店』のうち約450店に導入済み。「導入店舗からは新規顧客の増加や『神泡超達人店』として店員のモチベーション向上に役立ったとの評価をいただいた」(高梨氏)という。

そのほか、ドトール珈琲・珈琲農園など大手カフェチェーンでも導入が進んでいる。今後の展開について高梨氏は「デジタルメニューの普及など、日本の飲食業界にも変化が出始めている。コロナ後のインバウンド需要取り込みを狙うホテルやテーマパークなど、われわれのテクノロジーの商機は大きい」と意欲を示した。