持続可能な物流実現へ有効活用と認知向上を推進 日本パレット協会

日本パレット協会(JPA)は2023年、持続可能な物流の実現に向け、国内外の関係先と連携し、パレットの有効活用と社会的認知向上を推進していく。

1月31日開催の理事会後に会見した加納尚美会長(日本パレットレンタル社長)は「パレットの重要性がまだまだ理解されていないという現状がある。幅広くパレットについて知っていただくことが重要だ」との認識を示したうえで、協会として2023年の活動について「経済産業省、国土交通省と協同し、持続可能な物流の実現に向けた検討会議を有識者で開催しているが、キーワードといえるのが荷主と物流の連携だ。協会としては、政府、物流・産業界の団体と連携し、大きな社会課題の解決に向け活動を推進していきたい」と語った。

日本国内の課題解決に向けては、物流標準化を、パレットを基軸として推進する。国土交通省のパレット標準化推進分科会を中心に、パレットの循環利用促進による物流標準化を進めていく考え。「今後は、標準パレットのJIS規格の整理、JPAマークを基礎とした認定制度の再構築など、より専門的な論議が想定されるので、協会としても積極的に参加していきたい」(加納会長)と意気込みを語った。

国外については、アジア地域におけるパレット普及の推進(アジア地域、国際貨物)をテーマとして掲げ、「APSF(アジアパレットシステム連盟)加盟10か国でのロードマップの策定に向けた実施サポートが第一。国内で進めるパレット化、物流標準化を、国際輸送や海外での輸送にも広げていく。そのためにはパレットの規格・品質を担保する認定制度をアジア各国にも提案することなどが必要だ。国土交通省など国の力も借りながら進めていく」(同)とした。

また、一般社会へのパレットの理解促進に向け、セミナーなどイベントの開催、SNS媒体を活用した広報の多様化なども進める。

当日は、新春講演会(演題・持続可能な物流を実現するための方策について/講師・流通経済大学流通情報学部教授・矢野裕児氏)、3年ぶりとなる新年賀詞交歓会も開催された。