日本生協連 エシカル商品伸長 3年連続2千億円超に

日本生活協同組合連合会(日本生協連)は19日に都内で開いた新年記者会見で、コープ商品のエシカル消費対応商品が拡大していることを明らかにした。2022年度の供給高(売上高)見通しは組合員供給価格ベースの推計値で前年比6.5%増の2千169億円。日本生協連と全国生協でエシカル消費の取り組みを強化していることも奏功し、3年連続で2千億円を上回る見込みだ。記者会見では「DX-CO・OPプロジェクト」や「くらし応援全国キャンペーン」の進捗状況も報告した。

エシカル消費対応商品については、容器包装問題への対応が進み、エコマーク認定商品が前年比85%増、FSC認証商品が同19%増と伸長。「ふっくらしらす干し」のMEL認証化も全体の伸長に貢献した。

また、「海の資源を守る」「森の資源を守る」「Organic」と「リサイクル材使用」の4テーマで展開している「コープサステナブル」シリーズが伸長。同シリーズの22年度末の品目数は前年比68品増の195品、供給高は推計で同16・9%増の174億円になる見通しだ。

「DX-CO・OPプロジェクト」については、レシピから注文できるWebサービス「コープシェフ」と最大1週間分の献立を自動で作成できる「こんだてアシスト」の両軸で利便性強化を図る方針。宅配カタログ配布の効率化、配送コースの最適化に取り組んでいることに加え、新しい時代の新しいつながりをサポートするデジタルツールの実証実験を開始することも明らかにした。

「くらし応援全国キャンペーン」は全国の生協で組合員の生活を一丸となって支え、コープ商品の利用しやすい価格と品質をあらためて紹介することで「組合員のくらしに最大限お役立ちする」ことを目指すキャンペーン。

1月から開始し、好調なスタートを切った。豆腐、ちくわ、納豆、牛乳など日配品の動き、販促ツールが目立つ店舗の動きが目立つという。3月まで実施する。

記者会見には土屋敏夫会長、嶋田裕之統括専務、藤井喜継事業担当専務が出席した。土屋会長は「(家計が圧迫される中で)さらなる貧困と格差の拡大、子育て世代や将来を担う若者の未来に懸念が生まれている」としたうえで、全国の生協で取り組み事例が積み上がっていること、全国の生協と協力して「くらし応援全国キャンペーン」を進めていることを紹介。また、福祉事業強化に言及して「地域社会で助け合いの幅を広げていく。そういった取り組みを強めていく」と語った。