11.1 C
Tokyo
11 C
Osaka
2025 / 12 / 17 水曜日
ログイン
English
加工食品即席麺・即席食品日清食品 安藤徳隆社長 ブランド力強みに需要拡大 「完全メシ」を多面展開へ

日清食品 安藤徳隆社長 ブランド力強みに需要拡大 「完全メシ」を多面展開へ

「先行きが不透明で不安を感じる時代だからこそ、間違いのない、安心して買うことのできるブランドが求められている。2023年は、売上1千億円ブランドに育った『カップヌードル』、そして発売65周年を迎える『チキンラーメン』などを中心に、積極的なマーケティング施策でさらなる需要の活性化を目指す」。

こう語るのは日清食品の安藤徳隆社長。主力の即席麺事業において、得意とするユニークなブランドコミュニケーションの深化に加え、袋麺・カップ麺とも製品の高付加価値化やバリエーション展開の拡充を推進していく方針だ。

一方、かねてより「Beyond Instant Foods」をテーマに新規事業を探索。その一環として、22年に本格始動した新ブランド「完全メシ」は、累計販売食数が600万食を突破するヒット商品となった。

「23年は『栄養最適化テクノロジー』の多面展開を加速させる。今後はパッケージフードのみならず、社員食堂、スマートシティ構想などにもタッチポイントを広げていく。海外のニーズに応えていける体制も整えたい」と展望する。

23年3月通期の売上高は過去最高の更新を見込んでいる。「現在のインフレが進む環境下、当社がこれまで磨いてきたブランド力と即席麺が持つコストパフォーマンスの高さが強みになっている」。

加えて、売場の「エンタメ化」をキーワードに店頭イベントを展開した効果も大きい。特に価格改定を実施した22年6月以降、POPなども使って「コスパ最強!」を強力に訴求し、人気アニメとのコラボキャンペーンや基幹ブランドによるバースデー企画も実施。「売場を常にお祭りのように盛り上げて価格改定による需要のマイナスを払拭した」。

また独自技術や新たなコンセプトで即席麺の付加価値を高める商品施策を推進。高いリピート率を誇る「カップヌードルPRO高たんぱく&低糖質」、本物志向に応える「日清の最強どん兵衛」、大きな話題を集めた「0秒チキンラーメン」など、いずれも計画を大幅に上回る売れ行きをみせた。

「カップヌードル」ブランドは6期連続、「日清のどん兵衛」ブランドは8期連続でそれぞれ過去最高売上を達成する見通し。

一方、中長期的な方向性として「近未来の『カップヌードル』は『究極の簡便食』に進化させていきたいと考えている。5年先になるか10年先になるかは分からないが、いずれ当社のロングセラーブランドはすべて、おいしさはそのままに栄養素が最適化された製品となっていくことが理想」。

「われわれが目指しているのは『好きなものを、好きなときに、好きなだけ楽しめる世界』の実現。人びとの食欲に寄り添いながら、国内外で事業を大きく育てていきたい」と壮大なプランを描く。

関連記事

インタビュー特集

キンレイ「鍋焼うどん」、さらにおいしく進化 自社工場でかつお節を削り出した理由とは 50年のこだわり脈々と

キンレイの冷凍具付き麺「お水がいらない」シリーズが販売好調だ。2010年に立ち上げ、昨24年までに累計2億食以上を販売している。

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。