オハヨー乳業とオハヨーバイオテクノロジーズは11月29日、スウェーデン大使館にて「スウェーデン発の菌活~健康の秘訣は、いいお口にあり!?」と題してセミナーを実施した。
スウェーデンは世界的にもオーラル大国で、口腔内ケアやロイテリ菌を使用した治療を積極的に行っている。セミナーには一般公募から50人が参加し、バイオガイアジャパン(本社・スウェーデン)代表取締役会長兼CEOの野村慶太郎氏が、ロイテリ菌による口腔内ケアが全身の健康につながることを、免疫学やエビデンスを用いて解説。その後、高木歯科医院歯科衛生士の高木佐知子氏をゲストに迎え、参加者からの疑問に答えた。
オハヨー乳業とオハヨーバイオテクノロジーズが扱うロイテリ菌は、乳酸菌のなかでも豊富な臨床成績を持ち、エビデンスレベルと安全レベルが最も高い点に特長がある。母乳にも含まれるヒト由来の乳酸菌で、胃酸や胆汁酸でも死滅することなく腸に定着し、多くの菌と共存して体内の菌叢バランスを良好に保つことから、細菌の“指揮者”のような役割を持つ。
近年、特にロイテリ菌の口腔内常在菌叢制御効果が期待されている。歯周病菌は血管内に入り込むことで糖尿病、心筋梗塞、脳卒中などの疾患を引き起こす恐れがあり、「歯周病菌を体内に入れないこと、血液に侵入した際に体を守る力をつけること」が重要(野村氏)。ロイテリ菌には歯周病予防のほか、感染によって壊れた箇所を修復したり、ほかの菌を集めて作用を拡大する効果も認められているという。野村氏はさらに、風邪やアレルギー、アトピー性皮膚炎を改善した事例などを紹介し、注目する最新の研究には骨粗鬆症への効果を挙げた。
高木氏は歯科治療でロイテリ菌を用いた際に患者の口腔内トラブルが大きく改善した例を挙げ、「体の川上である口内フローラが重要」とし、全身の健康のために口腔内ケアが重要である点を改めて強調した。