オーバーストアと言われ久しい大阪に住んでいる。駅に近い人口密集地だが、最も近いスーパーまで15分以上歩かなければならない隙間エリアだ。結局、スーパーに行くのは週末だけ。
▼「『ウチなら、あの場所に出ればうまくできる』そんなふうに思わせる隙間が、たくさんあるように見えるのではないか」。関西市場で多店舗化を進めるロピア、24年の出店を明らかにしたオーケー。こうした関東小売勢の進出について見解を問うと、あるメーカーの営業幹部はそう答えた。
▼もちろん、見方はさまざまだ。「関東とは市場規模がまったく違う。そう簡単にはいかない」と卸の経営者。首都圏に次ぐ大市場とはいえ、人口の差は倍以上である。「同じ感覚で商売はできないはずだ」。
▼だが、判断基準は場所と市場規模に限らない。最初のメーカー幹部が続ける。「彼らが見ているのは隙間だけではない」。当然ながら周辺にある既存店舗の動向に注視し、判断する。競争に勝てるかどうかを。そして、進出をあきらめさせるだけの“隙間”のない強さを持つ店が最後に勝ち残る。