ケンコーマヨネーズは11月22日、23年3月期第2四半期決算説明会を開催。通期連結業績予想は売上高807億円(前年同期比6.7%増)、営業利益3億2千600万円(同79.8%減)、経常利益3億7千万円(同77.2%減)。厳しさを増すコスト高に対し、価格改定や経費削減、生産性改善などの取り組みを進める。
経常利益の主なマイナス要因は、原材料価格の上昇。60億7千500万円のマイナスを想定しており、このうち半分以上が食油の高騰によるもの。これに加え、下期からは飼料価格上昇や10月に発生した鳥インフルエンザによる鶏卵相場の上昇が追い打ちをかけると予測している。製造原価では1億6千700万円のマイナス影響。工場の稼働率改善を進めているが、エネルギーコストの上昇が足かせとなっている。一方、プラス要因には売上高の増加により生まれた2億3千200万円、価格改定での50億9千100万円を想定。価格改定を最優先課題に掲げ、炭井孝志社長は「タイムラグは発生しているが、来年3月までには想定の9割以上まで到達できる見込み」と語った。
中期経営計画の取り組みの一つである「BtoBtoC」は軌道に乗っている。特にECは最も伸長している販路だ。今期は自社のECサイトと他社運営のECモールの合計で売上高前年比18%増を目指す。商品別ではメディア露出の増加や口コミ、SNSでの情報拡散により一般にも浸透した「ガーリックバターソース」が累計販売本数400万本を突破し、ECサイトでの販売も16万本を超えた。アマゾンの売れ筋ランキング(たれ・ソース部門)でも1位を記録するなど、マーケティングやPR活動の成果が顕著に表れている。
同じく中期経営計画に盛り込まれた「イノベーション」では日本伝統の郷土料理を追求。「和彩万菜」シリーズは上期に発売した3品を含め全24品になった。袋から出してすぐに利用できるほか、小容量や90日程度という賞味期限の長さが受け、外食や弁当向けなどで販売が拡大。21年上期と比較すると重量ベースで13%増となった。同シリーズの今後について炭井社長は「各地のおいしい料理を発掘し、可能であれば47都道府県の郷土料理を再現したい。個人的には和食である郷土料理とPBFを組み合わせて新たな商品が生まれないかと考えている」と抱負を語った。23年度を最終年度とした中期経営計画の連結売上高800億円は22年度で達成見込み。連結経常利益40億円は外部環境の変化から、目標を見直した上で来年度の公表を予定している。