2022年も残すところ1か月となり、1年を振り返る特集企画も増えてきた。12月12日発表予定の「今年の漢字」もその一つだろう。まもなく応募締め切りを迎えるが、ネットなどの予想を見る限りあまり前向きな言葉は見当たらない。筆者の頭にぱっと浮かんだのは「火」の一字だ。
▼2月に口火を切ったロシアのウクライナへの軍事侵攻はいまもって戦火を広げ、また世界を見渡しても紛争の火種は彼方此方でくすぶり続けている。国内においては、銃火に倒れた安倍晋三元首相の映像が国民に大きな衝撃を与えた。
▼一方、われわれの生活はといえば、あらゆるモノやサービスの価格上昇が一気に進み家計は火の車。爪に火を点す生活を嘆く声も増えている。頼みの政治は迷走続きで火だるま状態。あげくに余計な言い訳で火に油を注いでおり、政権維持は風前の灯火となってきた。
▼せめて来年は良いことがありますようにと、先日小さな熊手を買った。ただ、三の酉まである年は火事が多いとの俗説もある。今年がまさにそれだ。冬本番を迎え暖房器具の出番も増えてくると思うが、くれぐれも「火の用心」を。