関西の地域卸連合、R-netは15日、大阪市天王寺区の天王殿で3年ぶりとなる情報交換会を開催。加盟企業と取引先メーカー幹部ら72人が参集した。
あいさつに立った酒井修司社長(大楠屋社長)は「値上げでわれわれの商品マスタは大変なことになっている。抗いたい気持ちもあるが、単価は高い方が良く基本的に反対ではない。安価な商品やPBに対する懸念もあるが、皆さんの力を借りて乗り切っていきたい」と強調した。
続いて、メーカーを代表し日清食品大阪ビジネスソリューション部の田淵義章部長が「天井知らずのコスト上昇で不透明な環境だからこそ、既存の考えにとらわれない新たな販売方法が重要になる。そこで強みを発揮するのが、R-netの各社が持つ地域に根差した機動力である」と述べた。
会では共同企画販売の実績が報告された。22年度は104本、扱い高9億円で着地する見通し。来年度は110本、10億円を計画する。報告した瀬川食品の松本好雅社長は「昨年より8本減っているが金額は伸びており、1本当たりの内容は濃くなった。来年度の目標も達成できると確信している」と力を込めた。
今回初めて実施したグループディスカッションでは、カテゴリーごと6つに分かれたメーカーとR-netメンバー社が意見交換。「既存品だけでなく新商品での取り組みも必要」「万博に向けた準備や、SDGsに関してできることもあるのではないか」「カテゴリーを超えたコラボ企画を提案してもらいたい」といった声が挙がった。
続いて懇親会が開かれ、最後は大物の日阪俊典社長が中締め。「コロナ禍で営業の仕方も変わり、お客様に接することなくオンラインで数字が出来上がってしまう状況になった。われわれ中小の卸はリアルなビジネスが生命線。売り手と買い手が喧々諤々し、成功や失敗を体験しながらそれが血となり肉となる。今こそそういう仕事が必要ではないか」と述べた。