J-オイルミルズ 中期計画を2年延長 収益回復へ基盤再構築

J-オイルミルズは21年度からスタートした「第六期中期経営計画」を見直す。急激な原料価格の高騰で、外部環境が大きく変化したため。現在進行中の中計で掲げた目指すべき姿や戦略目標に変更はないが、中計期間を2年間延長する。環境変化に耐えうる事業基盤強化を進め、最終26年度の定量目標として営業利益110億円、ROE8%、ROIC5%を設定。将来への基盤固めによる収益回復と資本効率を重視した成長を目指す。

同社の今上期決算は、価格改定効果と業務用の回復により、売上高は前年比30%増(1千229億円)の大幅増収となったが、急激な原料高騰によるコスト上昇をカバーできず、営業損失1億5千万円、経常損失2千万円、当期損失1億6千万円の赤字決算となった。

前期に創業以来、初の営業赤字を計上。今上期中の黒字化を目指したが想定を上回るコスト上昇の影響を受けた。油脂は価格改定が浸透し収益回復が進んだが、マーガリンや植物性チーズなどの乳系PBF、食品素材のスターチは原価高騰の影響で赤字幅が拡大した。

16日の会見で、佐藤達也社長は中計見直しの重点ポイントとして「①構造改革②成長戦略③投資戦略」の3点を挙げ、「できるだけ早期に20年度以前の利益水準(営業利益67億円)に戻していく」方針を示した。

構造改革では、SCM改革によるコスト削減と生産拠点の最適化を推進。SCM改革では製造物流の効率化を進め、スマートファクトリー化・省人化・自動化を推進。SKUと在庫水準の最適化も急ぐ。生産拠点改革では、油脂生産工程の稼働率最大化、国内生産拠点の再構築、マーガリン事業における海外生産拠点の活用も進める。

成長戦略では、長持ち油や紙パック容器など「低負荷」を強みとする付加価値製品の開発、おいしさデザインによる課題解決の取り組みを推進。油脂事業に続く柱として、製菓製パン・テクスチャー素材や大豆シート、ビタミンK2などスペシャリティフード事業の海外展開を強化する。最終2026年度には、全社営業利益のうちスペシャリティフード事業で23%を稼ぐ計画。現状1%程度の海外構成比も5年間で7%に高める。

また、粗利益の36%を占める高付加価値製品の構成比を、最終26年度には汎用品を上回る57%に高める考えを示した。

将来に向けた成長投資では、22-26年度の5年間で営業キャッシュフロー180億円、資産圧縮で50億円を創出。D/Eレシオ0.7倍まで許容し、外部からの資金調達として240~470億円を設定。これらを原資に設備投資220億円、事業投資140~370億円、配当還元110億円の総額470億から700億円の投資を計画。「オーガニックとインオーガニックによる成長機会の両面で積極投資を実施する」とした。

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