塩水港精糖は10日、筆頭株主の三菱商事が保有する同社株式の譲渡に関し、三菱商事と大東製糖(千葉県千葉市、木村成克社長)との間で合意に至ったと発表した。
株式譲渡契約に基づき、大東製糖は11月14日付で塩水港精糖株式389万660株(9月末現在の発行株式総数の11.12%に相当)を取得。大東製糖は塩水港精糖の筆頭株主となり、今後両社は業務提携に向けた協議を開始する予定だ。
人口減や甘味離れが進む中、コロナ禍の行動制限により国内の砂糖需要は急減した。砂糖業界は工場稼働率低下による利益低迷に陥り、生産合理化による収益基盤の強化は喫緊の課題となっている。
10月のDM三井製糖の合併に続き、来年1月には日新製糖・伊藤忠製糖が持株会社体制に移行するなど業界では再編・合理化の動きが進んでいる。
大東製糖は「素焚糖」など特色ある商品で知られる含蜜糖メーカー。精製糖を中心とする塩水港精糖とは商品展開面で補完関係にあると見られる。
また、両社は2002年から共同生産を開始するなど緊密な関係にもあり、「未来に向けた新たな取り組みを進めていくべき」(塩水港精糖)との判断から、今後提携協議を進めるとしている。