森永乳業 ベトナム健康市場参入 脂肪ゼロヨーグルトなど販売

森永乳業は6日から順次、ベトナム国内において同社ブランドの栄養補助飲料とヨーグルトの販売を開始した。製造および販売は、昨年6月に同社が完全子会社化したElovi Vietnam Joint Stock Company(本社・ベトナム、千早隆司社長、以下エロヴィ社)が行う。

商品は、栄養補助飲料「Morinaga Climealバニラ」「同バナナ」「同コーンスープ」(190㎖、オープン価格)と、ヨーグルト「Morinaga Zero-fatYogurtレスシュガー」「同レスシュガーアロエ」(100g×4個パック、オープン価格)の計5品。ヨーグルトは砂糖控えめの脂肪ゼロタイプ。いずれも1本(ヨーグルトは1パック)当たり同社独自の「シールド乳酸菌」100億個配合した。同事業における24年度売上目標は約20億円。

森永乳業のベトナム事業は、10年の育児用ミルク輸出事業が始まり。同国での認知度は約11%(19年B-company社調べ)といい、「健康・栄養に貢献する商品ラインアップを拡充し、新たな販売チャネルの開拓を行うことで、今後の成長が見込めるベトナム市場における事業の強化を図る」(森永乳業)。

「Morinaga Zero-fat Yogurt レスシュガー」(森永乳業/Elovi Vietnam Joint Stock Company) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「Morinaga Zero-fat Yogurt レスシュガー」(森永乳業/Elovi Vietnam Joint Stock Company)

Elovi社は02年創業、従業員数480人(21年12月)。乳飲料・ヨーグルトを製造販売し、昨年度の売上高は30億円強。「約20年にわたりベトナムの消費者に愛されてきた。そこを土台に森永乳業が長年培った技術を活用し、ベトナムの人々の健康や栄養、おいしさに貢献できる商品を提供したい」(千早社長)。

ベトナムは23年以降6%台の経済成長率を見込み、今最も成長が期待される国の一つ。中でもヨーグルト市場の年平均成長率は8%、栄養補助飲料市場は14%(21年12月みずほ銀行調べ)と、人々の健康意識の高まりがうかがえる。背景には食の欧米化などに伴う子ども世代の肥満、高齢者の高血圧・高血糖などがあり、今回発売する5品はベトナム市場では珍しい脂肪ゼロタイプのヨーグルトや人々の味覚に合わせたフレーバー展開で付加価値を高めた。パッケージは日の丸を連想させる赤と白が基調のデザイン。