キリンと花王が共同研究 内臓脂肪と免疫司令塔の関連を調査 肥満がウイルス感染症の重症化につながるなど関連性への注目が背景

 キリンホールディングスと花王は7日、内臓脂肪と免疫司令塔(プラズマサイトイド樹状細胞:pDC)活性の関連を調査する研究を共同で実施することを明らかにした。

 肥満が健康にもたらす影響について、世界各国で研究が進められている中、近年、肥満がウイルス感染症の重症化につながるなど肥満と免疫の関連性が注目されていることが背景。

 両社は、和歌山県立医科大学が2011年から主宰し、現在はNPO法人ヘルスプロモーション研究センターと共同で進めているコホート研究「わかやまヘルスプロモーションスタディ」に11月から参画。
 同研究の追加研究として実施し、内臓脂肪量とpDC活性の関連を明らかにすることで将来的に生活者の健康リスク低減をめざした取り組みを進めていく。

 和歌山県の40~55歳の住民を対象とした特定健診を11月に実施する。
 そこで花王が生活習慣や内臓脂肪量のデータを、キリンが血液中のpDCを含む樹状細胞の活性に関するデータをそれぞれ採取し、それらのデータを相互に共有して内臓脂肪とpDC活性の関わりを共同で研究・解析する。

 pDCはNK細胞やキラーT細胞など複数の免疫細胞に指示を与えて統括するもので、pDCを活性化させることが、年々増加し多様化しているウイルス感染リスク対策に有効とされる。