ごはん「炊く」から「買う」へ コメ需要、10年で1割減 「サトウのごはん」は2倍に 生産体制強化

東日本大震災後の備蓄需要の高まりをきっかけに、利用価値の見直しが進んだパックごはん。主食用米の需要が約1割減少したこの10年間で、パックごはんのトップブランド「サトウのごはん」(サトウ食品)の売上高は倍増。主力の5食パックは2.6倍と急成長を遂げた。同社では主力ブランドの安定供給へ、生産体制の強化を決めた。

前4月期の「サトウのごはん」は、売上高約254億円と前年比2割増。今期も過去最高の実績で推移している。パックごはん市場全体でも、昨年の生産量は19年比12.8%増。ごはんを炊く時間がないときのあり合わせから、「主食」としてのポジションに昇格しつつある。

1988年の発売当初から、家庭で炊くごはん以上の炊きたてのおいしさを目指した「サトウのごはん」。コロナ禍によるライフスタイル変化からパックごはんの需要が高まる中において、その代名詞的なブランドとしてより多くの食卓に受け入れられたことが急成長の要因と同社ではみている。

予想を上回る需要拡大から品薄状態となっていることを受け、同社では一層の生産効率化を目指す。商品ラインアップ整理や一部商品の休売などで、生産体制の強化を図る構えだ。

将来的に拡大し続ける需要に対応すべく、パックごはん専用工場である聖籠ファクトリー(新潟県聖籠町)に約45億円を投じて新たな生産ラインを増設。2024年の稼働時には19年比で約6千万食の増加となる年間4億食の生産能力となる見込み。

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