家族で出かけた地元のイベントで、くじ引きをした。見事に全員4等。景品はエコバッグだ。いただいた4枚は、1か月経っていまだ誰も使っていない。
▼自宅にはさまざまな機会にもらったエコバッグが山積する。レジ袋有料義務化以降、その頻度も増した。企業側としては「地球環境に配慮しています」と低コストでアピールできるため重宝なのだろう。
▼レジ袋を使い捨てる代わりにエコバッグを何回使えばエコだと言えるのか。答えは「50~100回」(10月24日NHK「クローズアップ現代」)。製造や輸送時のCO2排出量を考慮すれば、それほど使い倒さなければ効果は期待できないそうだ。コーヒーチェーンで導入が進むリユースカップも、回収や洗浄で多くのCO2を排出する。100回以上使っても、排出量が使い捨てカップを上回ることがあるという。
▼ごみ袋として再利用されることの多いレジ袋が有料化されても、ごみ袋の消費量に変わりはない。そのうえ使われないエコバッグが増えれば本末転倒だ。こうした「見せかけのエコ」は、欧米で「グリーンウォッシュ」と呼ばれ批判の的。実効性ある対策を望む。