スタバ1本100円のプレミアムスティックに広がり サンプリングと1本販売で 秋に新商品「ホワイト モカ」で需要喚起

 ネスレ日本のプレミアムタイプのスティックミックス「スターバックス プレミアム ミックス」シリーズが店頭で広がりをみせている。

 取材に応じたネスレ日本の田渕敬章飲料事業本部スターバックスCPGビジネス部マーケティングスペシャリストは「2020年3月に発売して以来、金額シェアが右肩上がりで順調に推移している」と振り返る。

 同シリーズは、スターバックスのコーヒー豆に関する知見・技術にネスレのクリーマーや泡立ちなどスティックミックスの知見・技術を掛け合わせたもので、税込希望小売価格1本100円強で販売されている。

 スティック市場では高単価商品のため、価格が気になる層のトライアルを促進すべくネスレ日本ではサンプリングなどに注力している。

ネスレ日本の田渕敬章飲料事業本部スターバックスCPGビジネス部マーケティングスペシャリスト(右)とスターバックス・トレーディング合同会社の安藤真由美ブランドマネージャー - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
ネスレ日本の田渕敬章飲料事業本部スターバックスCPGビジネス部マーケティングスペシャリスト(右)とスターバックス・トレーディング合同会社の安藤真由美ブランドマネージャー

 「抽出器具不要のドリップコーヒー『オリガミ』を含めてブランドとして年間4回大きなサンプリングアクティビティを実施している。流通企業のレジやホテル客室、美容室などトータルで年間40万杯を配布している」という。

 同シリーズの主要購買層は「女性比率が高く、20、30代女性が圧倒的に多い」ことから、住生活の領域に特化した日本最大級のソーシャルプラットフォーム「RoomClip(ルームクリップ)」を通じたサンプリングも実施。

 「フォロワーの多い方にアプローチして“おうちでスタバ気分のインテリア実例”として写真をアップしていただいている」と述べる。

 トライアル促進に向けて、21年からは個包装にもJANコードを記載して1本販売も開始した。

トライアル促進に向けて、21年からは個包装にもJANコードを記載して1本販売も開始した。 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
トライアル促進に向けて、21年からは個包装にもJANコードを記載して1本販売も開始した。

 これについては「店員さまに箱の中から取り出していただく必要があり店頭オペレーションの負荷がかかるため限定的に実施している。ただ、これまでの手応えとしては、今までスターバックスブランドを買われたことのないお客様に買われ、その何割かに定番の箱(4本入り)をリピート購入していただいているデータがあり、来年の店舗数拡大に向けてディスカッションしている」と説明する。

 今秋冬に向けてはラインアップを強化。「カフェ ラテ」「キャラメル ラテ」「カフェ モカ」「抹茶ラテ」の既存4品に9月1日から新フレーバー「ホワイト モカ」が加わった。

 「ホワイト モカ」はスターバックス店舗で人気の定番メニューで、高品質アラビカ種100%のコーヒー豆を使用し、やわらかな泡やホワイトチョコレートの味わいが楽しめるのが特徴となっている。

 今後の方向性については「当面はコアのフレーバーでコミュニケーションやサンプリングを地道に行いユーザーの獲得に注力する。中長期に向けては、カフェのフレーバーはほかにもあるためラインアップの強化を考えている」と語る。