イオンリテールは18日グランドオープンした「イオン天王町ショッピングセンター」の核店舗「イオンスタイル天王町」で生産性改善や従業員の働き方DXに挑む。
井出武美社長はこの日、イオン天王町ショッピングセンター グランドオープン式典・記者会見に臨み「現在、全店に導入し始めているAIワークなどデジタルを駆使して省力化・生産性の改善につなげていく。特に『イオンスタイル天王町』は大型店のためゼロからのスタートとなり、ここがモデルにならないといけない。売上と利益だけではなく生産性も十分にみていきたい」と述べる。
生産性改善の最たる取り組みとしては、AIカメラ導入による来店客の購買行動の把握が挙げられる。
店舗内にAIカメラを多数配置し、売場での滞在時間から接客を求めていそうな来店客を感知すると従業員のスマホに通知される。これにより、接客の効率化や人手不足の解消につなげていく。
販売強化にもつなげていく。
「マッピングができ、立ち寄り率が高い売場や低い売場が分かるほか、フロアごとのお客様やお客様の導線、どのような買い回りをされているかをデジタルで見える化できる。店舗の回転につなげるだけではなく、次の新店のレイアウトや店舗構造を考えていく際に活用できる。まだできていないが、これから学習して、どのようなものが大事かを検証していきたい」と説明する。
従業員の働き方DXでは、勤務計画を自動的に最適な組み合わせにするAIワークを活用し、従業員は自身のスマホから勤務希望の提出や勤務シフトの確認ができるようになっている。
働きがいにもつながる取り組みとして、情報共有ツール「MaI(マイ)ボード」を導入し、発注状況・売上目標・天気に関する情報をリアルタイムで共有し適切な売場運営を行うとともにチーム力を高めていく。
これについて、イオンスタイル天王町の中野公現(こうげん)店長は「従来、紙を使っていたのを『Malボード』導入したことで従業員がいつでも売上げや天気などが分かるようになった。グループごとに予算達成の可否も分かり、ソフトオープンして間もないが、コミュニティーからは切磋琢磨につながっていると聞いている」と語る。
「MaIボード」はこのほど全店に導入された。店舗ごとの比較もできることから、店舗レベルでの切磋琢磨にもつながりうる。