イオンリテールは13日、2020年から一時休業し全館建て替えを行っていた「イオン天王町ショッピングセンター」(横浜市保土ヶ谷区)のグランドオープンを前に、内覧会を実施した。若年ファミリー層が多く居住する人口増加エリアで、最新フォーマットとデジタル要素を集結させた「体験型ライフスタイル店舗」の旗艦店として18日にオープンする。若年層の取り込みや既存顧客の利便性向上を図る。
売場面積は2万185㎡(直営売場約1万1千385㎡、専門店約8千800㎡)。地上3階・地下1階建て。核店舗のイオンスタイル天王町に加え、物販・飲食・クリニックなど42の専門店で構成し、来館者数は年間750万人を見込む。
1階は地域最大級の食品フロアを展開。中でも市場が拡大する冷凍食品については売場面積を旧店よりも大幅に拡大し、日本最大級の冷凍食品売場「@FROZEN」を展開する新浦安MONA店に次ぐ約1千品目を取り揃えた。「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」などシェフ監修品のほか、横浜中華街の「耀盛號」や全国の冷凍餃子など地域色ある冷凍食品も品揃え。来店数の増加を狙い、若い世代に向け手軽に調理可能な冷凍スイーツも強化している。
併設する「イオンリカー」では横浜をはじめとする各地のクラフトビール約200種類を扱うほか、「カフェランテ」では初導入の冷凍ブレッドや洋風冷凍スイーツ、コーヒーを提供する。中野公現店長は「年配の方が多く、デジタルと対面の両建てで行うことを考えている。水産、畜産については対面接客でライブ感ある販売を強化する」とした上で、「2年間の準備期間を経てオープンを迎えた。地元の方々の期待値も高く、42年間支えてくださった地域の皆さまに応えられる店舗にしていきたい」と期待を込めた。
顧客の利便性向上への取り組みとしては、同社初となるOMO(オンラインとオフラインの融合)スペースを設置。ネット注文した商品を店舗に立ち寄ることなく受け取れるカウンターやロッカー、来店客自ら操作し旬やお得な情報を見られるタッチパネル式のデジタルサイネージも導入した。従業員向けには、すでに334店舗で導入される情報共有ツール「Maiボード」を使用したミーティングで売場運営の最適化につなげる。
サステナブルな取り組みでは、使用済み容器を回収する「Loop」や、食品の冷蔵・冷凍売場にCO2冷媒対応型設備を導入した。
そのほか、2階フロアではデジタル商品の複合型売場「スマートライフコーナー」や、3階フロアではスポーツウェアとフィットネスを融合させた売場を展開するなど、人々の生活変化に合わせた新しい提案を行う。