味の素は福島県いわき市の減塩食普及プロジェクト「いわきひとしお」に賛同し、いわき市、食品スーパーなどを展開するマルトとの「いわきひとしお」3者連携企画を開始した。5日から今月下旬の期間で実施している。おいしく減塩できる商品やレシピを提供し、いわき市民の「おいしく減塩」を応援する。
いわき市は2021年度から減塩食普及プロジェクト「いわきひとしお」を立ち上げた。今月から毎月17日を減塩食推奨デー「いわきひとしおの日」に制定。これに合わせ、今回の3者連携企画の実施に至った。
期間中、市内のマルト店舗のうち12店舗に減塩商品を陳列した特設コーナーを設置。全24店舗でオリジナルレシピブック「いわきの旬のものをおいしく食べようレシピブック」を配布する。12日と13日には市役所8階食堂で地元食材を使用した献立をランチとして提供した。
3者は5日、市内で3者連携企画のお披露目会を開いた。いわき市の内田広之市長、マルトの安島浩社長、味の素の土屋由介東北支社長が登壇。提案メニューのうち「鮭と秋野菜のシチュー」(1人分塩分量1.9g)と「さんまと根菜の炊き込みご飯 お塩控えめタイプ」(同0.9g)の試食も行われた。内田市長は「いわき市の健康指標は非常に厳しい」とし、食塩摂取量にも言及。「男性、女性ともに(『日本人の食事摂取基準』の)目標値を2g上回っている状況」としたうえで、減塩食普及プロジェクトについて「市民の隅々にまで行き渡るように、マルトさん、味の素さんをはじめ、関係各位と連携・協働しながら進めていきたい」と語った。
安島社長は「いわきに住んでいる方々をできるだけ健康にしたい」とし、自社の管理栄養士や薬剤師、さらに味の素の協力を得ながら、「塩を減らしてもおいしい料理の提案を続けていきたい」と強調した。
土屋東北支社長は今回の連携企画について「いわきの旬の食材を使い、塩分はひかえめながら、おいしく、無理なく続けていただけるメニューや献立を考案し市民へ提案していくもの」と紹介。「これを持続的な取り組みにすることで市民の健康寿命の延伸にも貢献していきたい」と語った。