ケンタッキー、サンドの名称をバーガーに変更 約40年間サンドの名称にこだわった理由と変更のねらいは? 判治孝之社長が語る

 日本ケンタッキー・フライド・チキンは、サンドの名称をバーガーに変更するとともにラインアップの拡充を図り12日から定番バーガー5品を発売開始する。

 クリスマスなど特別な日の食事に特に利用されるケンタッキーブランドの強みを引き続き磨きつつ、これまで手薄であった“日常的な利用”の強化が目的。

 その強化策の1つとして、バーガーを強化することで気軽に利用しやすい時間帯とされるランチタイムの需要を深耕していく。
同社のランチ帯におけるバーガー(サンド)の売上シェアは3割弱で開拓余地が残されている。

 11日発表した判治孝之社長は「“ケンタッキーバーガー本気宣”ということで、約40年間、我々が使用してきたサンドという呼称からバーガーという商品名に変更させていただく」と意欲をのぞかせる。

左から11日発表会に登壇した日本ケンタッキー・フライド・チキンの判治孝之社長とCMキャラクターの賀来賢人さん - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
左から11日発表会に登壇した日本ケンタッキー・フライド・チキンの判治孝之社長とCMキャラクターの賀来賢人さん

 同社では、これまで実質的なバーガーをサンドと称して販売してきたが、それには米国ケンタッキー・フライド・チキン・コーポレーションの影響と他店との差別化を意識してきたことが影響している。

 「ケンタッキー発祥の地・アメリカでは、ハンバーガーというと牛肉や挽肉をパティで挟んだものしかハンバーガーと言わない。日本は(東南アジアなどと比べて)早くから展開していたため、アメリカと同じ呼称を使ってスタートした」と説明する。

 差別化ポイントについては、サンドの代表商品である「チキンフィレサンド」(12日からチキンフィレバーガー)を引き合いに出し「我々がつくる『チキンフィレサンド』は他のバーガー店がつくるというチキンサンドとは違うのだという差別化への強い想いを持ってサンドという名称を使ってきた」と振り返る。

 このような理由でサンドの名称に徹してきたこともあり、同社調べによると、ケンタッキーのバーガー認知率は48%にとどまり「お客様に十分に認知いただけていない状況」という。

 今回、サンドの名称をバーガーに変更するなど強化していくことで、長期的にバーガーの認知率を「オリジナルチキン」並みの84%に引き上げていく。

 商品面では第一弾として定番バーガーを拡充する。
 「チキンフィレバーガー」と「和風チキンカツバーガー」の既存2品に加えて「辛口チキンフィレバーガー」「チーズチキンフィレバーガー」「ダブルチキンフィレバーガー」の新商品3品を発売する。

 第一弾以降については「期間限定商品を含めてバーガーの露出を強化していく」(小室武史上席執行役員マーケティング本部副本部長CMO兼マーケティング部長)。