三幸製菓復活で落ち着きみせる米菓業界

三幸製菓の火災事故は、米菓業界のみならず菓子業界にまで火の粉が降り注ぎ混乱は半年ほど続いたが、6月の新崎工場、新発田工場の再開、9月の荒川工場稼働により業界は落ち着きをみせてきた。荒川工場の販売再開は10月上旬としている。

10月に入り本来であれば秋冬棚がすでに決定し、棚替えが完了している時期だが、春夏と大きく棚を変更せず、三幸製菓の状況を見て徐々に入れ替える小売も少なくない。同社の生産能力は、9月の荒川工場の再開により以前と比べ約8割となる。生産状況は、アイテムを絞り主力商品の製造に注力、従業員が安心して働くことのできる職場環境を構築し、安定供給できる体制を整えている。

米菓メーカーはこの半年以上定番棚を守る努力を進めてきたが、三幸製菓が市場に復活することで小売がどのように戻していくかも注目すべきところ。また、米菓メーカーは安堵の表情を浮かべる一方で、コスト増が大きくのしかかる中、価格競争の再燃だけは避けていきたい考え。この秋冬商戦は、新たな価値の創造と主力復活で足並みを揃え、米菓市場を盛り上げていくことがカギとなるだろう。