三井農林が「日東紅茶」ブランドから昨年8月に本格発売した「ミルクとけだすティーバッグ」が好調に推移し、紅茶市場の異例の動きとして若年層の新規ユーザーを獲得していることが明らかになった。
8月24日に発表した竹田一也企画本部商品企画・マーケティング部部長は「SNSやネットニュースのビッグデータをもとに“どれだけ話題になったか”を示す指標では、『ミルクとけだすティーバッグ』の支持層は30代ミレニアム世代以下だけで占められていることが分かり家庭用紅茶市場では滅多にない構成となっている」と語る。
紅茶ユーザーのボリュームゾーンは40‐60代であることから、実際の店頭販売では40代以上の層にも購入されているが「今まで紅茶ティーバッグを買ったことのない方の比率が高く、世代的にも若い方にご購入いただいた」という。
若年層による話題化を受けて売場も広がりをみせる。
紅茶カテゴリーでは珍しく、メインの売り場であるスーパー・量販店以外にコンビニやドラッグストアなどにも導入されている。
「予想していた以上にSNSやメディアに取り上げていただき当社としては過去最高の反響となった。販売自体も好調で、SNSの反響が一段落した後も当社の公式SNSアカウントで4月以降に発信して秋冬に向け反響は上昇傾向にある」と企画本部商品企画・マーケティング部の大槻裕介氏は説明する。
販売好調を受け、この秋冬に向けてはラインアップを拡充するとともに若年層の取り込みを強化すべくデジタル広告を展開していく。
「当初予想だと20代後半から30代の子育て世代や社会人には受け入れられる可能性があると思っていたが、蓋を開けてみると10代、20代前半の層にもご好評をいただいた。スーパーさまがメインの売場であることには変わりはないが、当社ECサイト『日東紅茶TeaMart』などで若年層の取り込みを強化したい」(大槻氏)と意欲をのぞかせる。
竹田部長も「これまで紅茶のティーバッグを若い方が自分で買って飲むということはなく、このことが長年の課題となっていた。『ミルクとけだすティーバッグ』は紅茶ティーバッグ市場の新たな成長の芽としてパイロット的な役割を果たせる可能性がある」と意気込みを語る。