カルビーは、企業理念の「私たちは、自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造して、人々の健やかなくらしに貢献します。」の実践・追求がサステナブル経営と捉え、今秋さらなる強化を図る。
伊藤秀二代表取締役社長兼CEOは9月14日に行われた記者会見で「ステークホルダーや社会の課題解決に向けて、食ビジネス全体の生産性向上を進め、正しい循環で回すことで、新たな価値を創造していく」とサステナブル経営の重要性を語った。
温室効果ガス排出量削減は、事業所間連携による大幅な省エネや再生可能エネルギーへの切り替えなどから、22年3月期で約22%削減(18年比)。一方で、自社生産以外に原料や包材、物流などに関わる間接排出の軽減にも努めている。その中でも「ばれいしょ」の与える影響が大きいと着眼し、22年から環境省モデル事業に参画し、「ばれいしょ」排出係数の見える化にも着手する。
プラスチック容器代替・削減は、30年までに環境配慮型素材の使用率50%、50年までに100%の目標を掲げている。アールプラスジャパン社への資本参加で使用済みプラスチックを再資源化し、また原料に戻していくことを目指し活動を進めている。
環境・人権に配慮した持続的な調達は、30年までに認証パーム油100%使用を掲げ、9月からRSPO認証マーク表示を開始。今後の課題として農園や搾油工場までのトレーサビリティやデューデリジェンスの仕組みの構築に向け、サプライヤーを巻き込んだエンゲージメントを推進している。同認証マークは、主力商品のうすしお味(60g、80g)、コンソメパンチ(60g)、のりしお(60g、80g)を9月から順次切り替え、10月には連結子会社であるジャパンフリトレーの新商品『マイクポップコーンマイスタースペシャルソルトバター味』にも表示を開始し、対象を順次拡大していく予定。
また、19日には『CRAFT Calbeeじゃがいもチップス』リニューアルに伴いカルビー史上初、4層フィルムの紙パッケージでプラスチック使用量を半分程度に減らした『じゃがいもチップス(花藻塩味、あじわい玉ねぎ味)』の2種を発売した。消費者への取り組みとして「環境ラベル」を主力商品に表示するほか、店頭やWebサイトで価値を伝えていきたい考え。