山本海苔店は15日、メディア関係者らを招いたセミナー「未来の海苔について語る会」を都内で開催し、山本貴大社長が今後の経営戦略について説明した。
山本社長は、これまでの自社について「高品質で高価格な海苔を、中元、歳暮という歳時記に百貨店で売るというビジネスモデルが完成されていた」と指摘した。一方で、近年は配達技術の向上やユーザーの選択肢拡大などにより、主力の贈答用ニーズが縮小。それに伴い、海苔の取引相場と生産者マインドの低下を招くという悪循環に陥ってしまう課題について言及した。
打開策の一つとして、海苔の新たな需要創出を明言。23年に予定している日本橋エリアの再開発に伴う本店・本社ビル移転を好機と捉え、「山本海苔を最もおいしく楽しんでいただける方法を提供する」と語り、社内に若手社員を中心としたプロジェクトチームを立ち上げ、飲食事業などを検討していることを明らかにした。
セミナーでは焼き海苔の試食や用途別の海苔の食べ比べも行った。