1杯9gなどの価値とコスパで選ばれ「匠のドリップコーヒー」が急拡大 19年比2倍強 決め手はクラフト感のあるパッケージ

 片岡物産が2019年春に発売開始した「匠のドリップコーヒー」シリーズが絶好調だ。

 19年3月から20年2月の販売推計金額実績を100とした場合、21年3月から22年2月までの年間出荷金額は19年比214.2%と急拡大した。

 販売規模・購入者ともに大幅に拡大し、売場では配荷拡大のみならず販売店舗当たりの販売金額も上昇している。

 片岡物産が購入者440人を対象に実施したインターネット調査によると、購入時に最も購入の決め手になった要素として「パッケージの雰囲気」(39%)、次いで「商品名の匠の文字」(16%)が浮上し「売場で映えるクラフト感のあるパッケージでトライアルを獲得している」(片岡物産)とみている。

 リピート意向については、コーヒーの香りと味、フィルターの開けやすさ、コストパフォーマンスへの満足度が高いことが判明した。

 コーヒー豆は、コーヒー鑑定士が世界中から厳選した上質なコーヒー豆だけをブレンドし、コーヒー豆を挽いた直後にパックする“挽きたて密封”で提供している。

クイック・オープン方式のドリッパーを採用 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
クイック・オープン方式のドリッパーを採用

 フィルターは、カップにかけるフックを優しく引っ張るだけでフィルターの口が大きく開くクイック・オープン方式を抽出部分に採用し、フィルターを切り取る手間を不要とした点が支持されている。

 ECでの販売も伸び続け、ECでは1袋9gとクイック・オープンのフィルターが購入の決め手になっているという。

 市場に多く出回るドリップコーヒーの1袋当たりの内容量が8gであるのに対し「匠のドリップコーヒー」は1袋9gで10袋入り税別350円の値ごろ感ある希望小売価格で販売している。

 この秋冬は、さらなる拡大を目指しラインアップを拡充する。

 既存ラインアップは、深めの焙煎で香ばしさとリッチなコクを訴求する「リッチ ブレンド」と、やや深めの焙煎でモカ豆のまろやかな香りと甘さのあるコクを引き出した「モカ ブレンド」の2品で、8月23日に「スペシャル ブレンド」を新発売した。

「匠のドリップコーヒー スペシャル ブレンド」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「匠のドリップコーヒー スペシャル ブレンド」

 「スペシャル ブレンド」は、既存2品の味わい・香りの中間のポジションで、どのようなシーンにも馴染むバランスのとれた華やかな味わいを目指し、既存2品ではカバーしきれていない消費者ニーズを獲得していく。

 「スペシャル ブレンド」には、甘さやコクを引き出す豆として、コーヒーチェリーのまま天日干しをしたナチュラル製法のコーヒー生豆を多く使用し、華やかなクリアなおいしさを引き出す豆として、コーヒーチェリーから果肉を取り除いた後にコーヒー生豆を乾燥させたウォッシュド製法のコーヒー生豆を使用している。