UCC、プレミアムコーヒー市場開拓に本腰 新ブランド「GOLD SPECIAL PREMIUM」を大規模展開 星野源のCMでアピール

 UCC上島珈琲は新ブランド「GOLD SPECIAL PREMIUM」を立ち上げ家庭用コーヒーでプレミアム市場の開拓に本腰を入れる。

 おうち時間の質向上やプチ贅沢ニーズの高まりによる高単価商品の定着化が新ブランド立ち上げの背景の1つ。

 プレミアム商品を買い回っている浮遊層やプレミアムコーヒーエントリー層の獲得を狙う。

 取材に応じた伊藤佳世嗜好品マーケティング部部長は「プレミアム商品を買い回られているお客様はブランド定着されていない方が一定数いることが分析からも分かっている。加えて、“プレミアムコーヒーを楽しみたいが最初の一歩が分からない”エントリー層に対してもショップブランド以上に味覚の特徴をわかりやすくお伝えできると考えている」と自信をのぞかせる。

 「GOLD SPECIAL PREMIUM」の特筆すべきポイントは、コク・苦み・酸味だけでは語りきれない特別な味わいと味覚表現にある。

 「フレーバーをつけたのではなく、UCC独自のブレンド技術とコーヒー豆の個性を活かした焙煎技術でコーヒーが本来持つフローラル、フルーティ、ナッツ、チョコレートといった風味を引き出した点が大きなポイント」と説明する。

 商品名も特徴で「フローラルダンス」「フルーティウェーブ」「ナッツビート」「チョコレートムード」の4種をラインアップし「リズムが感じられるようなワードも用いて飲んだときの心躍る感じやワクワク感を表現した」。

「フローラルダンス」「フルーティウェーブ」「ナッツビート」「チョコレートムード」の4種をラインアップし4種とも150g粉商品とワンドリップ5Pを取り揃え、これに加えて「フルーティウェーブ」と「ナッツビート」では150g豆商品も品揃えする。 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「フローラルダンス」「フルーティウェーブ」「ナッツビート」「チョコレートムード」の4種をラインアップし4種とも150g粉商品とワンドリップ5Pを取り揃え、これに加えて「フルーティウェーブ」と「ナッツビート」では150g豆商品も品揃えする。

 ラインアップは4種とも150g粉商品とワンドリップ(ドリップコーヒー)5Pを取り揃える。
 これに加えて「フルーティウェーブ」と「ナッツビート」では150g豆商品も品揃えする。

 共通の特徴としては、厳選アラビカ種のコーヒー豆100%使用し独自技術でコク・苦み・酸味だけでは語りきれない特別な味わいを実現したほか、厳選アラビカ種のうちサステナブルに調達されたコーヒー豆を50%以上使用し「環境にも人にもやさしい」を打ち出した点が挙げられる。

 ワンドリップは1袋10g入りで、広口で注ぎやすいフィルターを使用。これにより、拡大しているプレミアムタイプのドリップコーヒー市場にも挑む。

 「今春に『上島珈琲店』が加わったことでプレミアム系の商品は増えたが、市場平均と比べると我々のプレミアム系の構成比はまだまだ伸び代があり、今回の『GOLD SPECIAL PREMIUM』でプレミアム商品の拡充を図っていく」と述べる。

ワンドリップは1袋10g入りで、広口で注ぎやすいフィルターを使用。 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
ワンドリップは1袋10g入りで、広口で注ぎやすいフィルターを使用。

 1袋10gのコーヒー量については「おいしいコーヒーをお届けしたいという思いで設計し、粒度設計や焙煎度の組み合わせの中でベストを選択して10gとした」。

 パッケージは、マットブラックを基調とし、中央に明るい色調をあしらうことで各種の味わいをわかりやすく表現。
 「嗜好品の売場で真っ黒なパッケージがなかなかないということで、お得意先様との商談では“マットブラックとフレーバーカラーの組み合わせは店頭で非常に視認がとれるのではないか”とご評価をいただいている」という。

 9月21日からUCCブランドアンバサダーの星野源さんを起用したTVCMを放映するなどコミュニケーション活動を展開しブランド計の初年度(12月期)の販売目標30万ケースを目指していく。

9月21日からUCCブランドアンバサダーの星野源さんを起用したコミュニケーション活動を展開。 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
9月21日からUCCブランドアンバサダーの星野源さんを起用したコミュニケーション活動を展開。

 プレミアム市場の開拓に向けて今春家庭用に参入した「上島珈琲店」にも注力していく。

 「ショップブランドは競合を含めかなり伸びてきている中で、『上島珈琲店』は神戸発祥という点や常に革新的で磨きをかけている点など別軸で提案できている。配荷はこれからだが、導入企業さまから店頭回転(販売)でご好評をいただいており、ショップブランドも今後注力していく」と意欲をのぞかせる。