理研ビタミン 宮城県から感謝状 広域防災体制への寄付で

理研ビタミンは宮城県が計画する「広域的な防災体制の構築」に対し、企業版ふるさと納税を活用して2千万円を寄付した。これに対し、宮城県は5日、県庁で感謝状贈呈式を開き、村井嘉浩知事から山木一彦・理研ビタミン社長に感謝状が贈られた。

宮城県は「(理研ビタミンが行った寄付は)企業版ふるさと納税による寄付金額としては非常に高額であり、全額を広域的な防災体制の構築に活用予定」とコメント。東日本大震災の教訓を踏まえた広域防災拠点や圏域防災拠点の整備、さらに地域防災拠点も加えた各防災拠点間の相互補完と連携体制の構築に活用される。

理研ビタミンでは主力商品の「ふえるわかめちゃん」「わかめスープ」を多賀城市の理研食品で製造しており、県内には約230人のグループ社員が働いている。同社は東日本大震災で被災。工場設備や原料が甚大な被害を受けるなどして、従業員の生活にも大きく影響した。

一方、17年からは名取市の「ゆりあげファクトリー」でわかめをはじめとした海藻の研究も行うなど、閖上地区の復興と地域水産業の活性化に向けた取り組みを進めている。

理研ビタミンでは「今後起こりうる大規模災害時への備えは当社の事業継続にとっても大きな課題であることから、宮城県が進める『広域的な防災体制の構築』の趣旨に賛同した」と目的を述べている。