怒涛の食品値上げラッシュが続き節約志向が高まるなか、ハム・ソーメーカーでは「家計応援」を強める。米久の秋冬施策で注目されるのが、業務用定番商品をリーズナブルな家庭用大容量商品として展開していることだ。
9月1日から発売している新商品「チヂミ」とリニューアル品「ロールキャベツ」(各2SKU)は、いずれも精肉売場でのトレー小分け販売向けに展開してきた簡素なパッケージの商品。今回は新たにJANコードを付与し、そのまま陳列可能な商品として発売している。
「(大型パックのため)時間当たりの生産効率がよく、資材費、物流費などのコストを削減できる。韓国ブームや家飲み需要に対応したチヂミ、これからの季節に食べる機会が増えるロールキャベツを、業務用コンシューマー商品として発売することにした」(冷凍食品ユニットマネージャー・石井光幸氏)。
-18℃の冷凍帯だが、一括表示欄の記載は冷凍食品ではなく「惣菜半製品」の扱い。とはいえ加熱調理済みなので、温めるだけですぐに食べられる。「冷食カテゴリーにしてしまうと(従来のように)スーパーの精肉部で小分けして温度帯変更して販売することができなくなってしまうので、惣菜半製品という形にした」(マーケティング部商品企画室・服部剛弘室長)。
チヂミは900gの大容量。30g×30枚と90g×10枚の2種類がある。ロールキャベツは500g入り。キャベツの色味が鮮やかな「LD」と、色選別せず低価格を実現した「S」を用意した。
この秋はほかにも「家計応援」が旗幟鮮明だ。主力ウインナー「御殿場高原あらびきポーク」では、お買い得な680gパックに便利なジッパーを追加。ストック向けに利便性を向上した。また節約に一役買う鍋物商材でも、既存品は配合を見直しておいしさを維持しながら原料コストを削減。新商品として、―18℃で販売できる国産キャベツ使用のロールキャベツも発売する。
また需要が高まる強みの冷凍食品カテゴリーも、ラインアップを強化した。専門店の味を再現した本格中華ブランド「大龍」からは、中国の家庭料理「家常豆腐 揚げ茄子と厚揚げの肉味噌仕立て」を新発売。冷凍大豆ミート「エアミート」シリーズには、ブームで伸長中の韓国メニューとして「大豆のお肉で作ったユッケジャン」が登場する。