フードバンクの危機

フードバンク=安全に食べられるのに包装の破損や過剰在庫、印字ミスなどの理由で流通に出すことができない食品を企業などから寄贈していただき、必要としている施設や団体、困窮世帯に無償で提供する活動(一般社団法人全国フードバンク推進協議会)。

▼フードバンクが危機的状況にある。コロナ禍が続くなか、生活困窮世帯が増えたことで需要が増加し、寄贈された食品が底を尽きかけている、テレビのニュースでフードバンクうつのみや(栃木県宇都宮市)の関係者が支援を訴えていた。

▼日本の貧困率は約16%、ひとり親世帯では約半数が貧困状態にあると報告されている。貧困率はこれまで相対的貧困(その国の生活水準や文化水準を下回る状態)で語られてきたが、いま懸念されるのは生活を維持していくこと自体が難しい状態を示す絶対的貧困層が増加しているのではないかということ。

▼SDGsの目標の第一は「貧困をなくそう」。食品産業界はこれまでもフードバンクなどに支援の手を差し伸べてきたが、現状は深刻化している。より手厚い支援が必要だ。

EU農産品  - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)