「モンデリーズ」取扱い開始 SNS活用でZ世代獲得へ エヌアイエスフーズサービス

日本アクセスの100%子会社エヌアイエスフーズサービス(以下、NIS)は、輸入商材を中心に扱う販売代理店。輸入菓子の取り扱いも増え現在では約5割が菓子の売上だ。新たにモンデリーズインターナショナル社(以下、モンデリーズ)と日本国内におけるチョコレートの代理店となり、9月12日店頭販売分からNISが輸入者となる。輸入菓子の現状と今後の展望について代表取締役社長の福井弘彦氏と審議役営業本部長代行兼菓子部長の川上智康氏に話を聞いた。

値上げラッシュで鈍る売場回転 活性化へ新商品投入

――前年度(3月期)概況を教えてください。

福井 売上は非公開だが、食品と菓子の割合は半々で毎年微増を続けている。特に菓子はブランドが増えたことや巣ごもり需要の影響から好調に推移している。

輸入菓子市場においてグミとポテトチップスのカテゴリーが好調で、これには当社の「ハンター」ブランドが貢献した。

ただ、コロナの影響で物流が混乱し、安定供給が難しい時期が続いたことで、国内の需要に追い付かずチャンスロスがあった。安定供給できていれば、菓子は一層大きく伸長しただろう。

――菓子事業の方針はどうお考えですか。

福井 新商品をできるだけ出していくことが今年の目標。

急激な円安と欧米のインフレで値上げせざるを得ない中、消費者の財布の紐が堅くなって商品の回転が鈍り、それをカバーするための新商品が必要となってくる。

チャネル戦略に関しては、専門店だけでなく当社の強みの販売網を生かし、適材適所に合致する商品を提案し、催事に強い商品も多いためクリスマス・バレンタインなどさらに注力していく。

――モンデリーズのチョコレートをどう拡販していきますか。

川上 今まで取り扱いのある専門店との取り組みをしっかり継続していくことに加え、販売網を生かしチャネルを拡大していきたい。

SKUもモンデリーズはまだ豊富に持っていることから、まずは現状SKUの認知度向上に注力し、その後はチャネルに合った商品を広げていきたい。

――秋冬新商品について教えてください。

川上 昨年好調だった「ハンターポテトチップス」に新味が2種、新規格を1種、10月から販売予定。

新味は「ブラックキャビア風味」と「白トリュフ&ポルチーニ風味」で、高級感のあるプチ贅沢な商品。

新規格の「ハンターポテトチップス黒トリュフ風味」の小袋タイプは、日本向けに穴を開けるなどカスタマイズした商品でCVS先行発売し、トライアルを取っていきたい。

――日本市場での輸入菓子の難しさはありますか。

川上 国内で輸入菓子が伸び悩むのは、日本の菓子メーカー数が多いことやレベルが高いためで、海外から持ってきた割高なものは他の国に比べて売りにくい。

海外の売場は、どの国か関係なく商品が並んでいるが、特に菓子はカテゴリー別に日本のメーカーを中心に棚が構成され、輸入菓子は専用の棚が構成されることが多い。
これは日本独自の文化だとみており、グローバル化に伴い今後広がる可能性はあるだろう。

――輸入菓子の今後をどうお考えですか。

福井 円安やインフレもあり、物価の安い国の商品は伸びるだろうが、高いブランドはしばらく苦戦するだろう。

一方で、「地球グミ」のようにSNSで爆発的に売れる商品があり、SNSの発信力や精通するZ世代の獲得が必須だと思っている。われわれの世代は海外旅行に行かないと知らなかったお菓子が、SNSでは海外で流行っているものがいち早く入ってくる。

ブランドオーナーもSNSには注力しており、日本の情報を与えつつ、私たちは店頭とリンクさせていくことが重要になってくるだろう。

量販店も気づいているところはSNSの反響を見ながら品ぞろえするところが増えてきており、SNSの活用が今後のカギとなる。

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