植物性チキン「TiNDLE」上陸 シンガポール拠点に急成長

世界的に代替肉需要が高まる中で、シンガポールを拠点にアジア、アメリカ、ヨーロッパなど500か所以上のレストランで植物性チキンのブランドTiNDLE(ティンドル)が日本に上陸した。TiNDLEは、2020年に設立されたNext Gen Foods社のフラッグシップ商品で、動物性タンパク質を一切使わず、チキンの味と食感を備えた汎用性の高い植物由来の商品。7月からカイザーキッチン社が展開するドイツビールレストラングループのカジュアルダイニングレストランSchmatz(シュマッツ)の一部店舗で、期間限定でTiNDLEを使った「ドイツ風唐揚げ」と「ハンバーグステーキ」の提供を開始した。

1年前にシンガポールの数軒のレストランから提供を開始したTiNDLEは、発売からわずか1年余りで現在、アメリカ、アジア、中東、ヨーロッパの500軒以上のレストランに提供しており、日本を含め今後も販路の拡大を目指している。

植物性チキンは、普通の鶏肉に比べて水が82%、土地が74%、温室効果ガスの排出を88%削減すると言われ、サスティナブル観点からも注目されている代替肉。タンパク質と繊維が豊富で、「シェフのために作られた食材」として世界中の料理専門家の注目を集めており、ソテーやケバブ、ラーメンなど各国の料理メニューに使われている。

TiNDLEを使ったメニュー - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
TiNDLEを使ったメニュー

代替肉など食品技術革新でリードしているシンガポール。政府は、国内の食料自給率を現在の10%未満から2030年までに30%に引き上げるための「30×30」を目標に掲げており、食品技術革新を目指すスタートアップ企業には資金面で支援しており、TiNDLEもそのサポートを受けている。現在、シンガポールでは約100か所のレストランで提供しており、今後は販路の拡大とともに輸出国の拡大を図ることで、グローバルカンパニーを目指している。

このほど来日したTiNDLEのシニアトレードマーケティングマネージャーのブライアン氏は、「発売してわずか1年だが、世界各国のカジュアル店からミシュラン店など幅広いレストランで使われている。シェフのためにつくられた植物性チキンで、さまざまな料理に使われている。ベジタリアンやヴィーガンだけでなく、お肉が大好きな人にも食べてほしい」と語っている。