スリランカが深刻な経済危機に陥る中、紅茶の輸出は継続の方向性が示された。
日本紅茶協会によると、スリランカティーボード(スリランカ紅茶局)のニラジ・デ・メル(Niraji De Mel)会長は7日、輸出継続の声明を発表した。
関係筋の話では、スリランカ政府は外貨獲得の手段として輸出産業を優遇。輸出産業に優先して燃料や電気などを供給していることから、7日時点では供給への懸念材料はないという。
スリランカの2021年輸出量は28万2905t(出典:セイロンティーブローカーズ)。
輸出先の上位5カ国は、トルコ9580t(1位)、イラク7210t(2位)、ロシア6750t(3位)、アラブ首長国連邦(UAE)4240t(4位)、イラン2690t(5位)となっており、これらの国々への輸出は現在も支障なく行われている模様。
日本の21年紅茶輸入量は1万7627t(出典:日本紅茶協会)。このうち最多の40%を占めるのがスリランカ紅茶(セイロンティー)となる。
紅茶飲料でトップシェアを握る「午後の紅茶」を販売するキリンビバレッジは7日「調達について影響はないが継続して注視していく」と回答。
ただし、キリンが取り組んでいるレインフォレスト・アライアンス認証の取得支援については「経済危機がスリランカ紅茶農園の方々の生活を直撃し支援活動の継続が困難な状況になっている」とした。
同認証は、自然と作り手を守りながらより持続可能な農法に取り組むと認められた農園に与えられるものとなっている。
(7月11日訂正)
■ニラジ・デ・メル(Niraji De Mel)会長は7日、声明は出しておらず、日本紅茶協会による聞き取りにより輸出継続を確認。
■「スリランカの2021年輸出量」の記載は誤りで「スリランカの2022年1-3月輸出量」に訂正いたします。