新感覚の日本酒「クラフトサケ」 全都道府県に醸造所設立目指す メーカー6社が協会結成

日本酒の製造技術をベースにした「クラフトサケ」の国内醸造所6社は6月27日、同業者組合「クラフトサケブリュワリー協会」を設立した。クラフトサケの醸造所拡大や知名度向上を目指し清酒の新ジャンルのPRイベントや新規参入者の促進などに取り組む。

クラフトサケは、米を原料としながら醸造工程にフルーツやハーブといった副原料を取り入れて製造し、今までの日本酒とは異なる味わいが特徴。新たな味や多彩な種類の銘柄が生まれている一方で、酒税法上は清酒ではなく「その他の醸造酒」や「雑酒」などに区分されている。醸造免許は現在、輸出向けの一部を除き新規で原則発行されておらず、新規参入は事業承継やM&A、海外での製造により行われている。

今回協会を立ち上げたのは、WAKAZE(山形県)、ALLWRIGHT(東京都)、haccoba(福島県)、LIBROM(福岡県)、稲とアガベ(秋田県)、LAGOONBREWERY(新潟県)。この日は、同協会のパートナー企業に就任したマクアケの応援購入サービスMakuakeで、設立記念酒セットを販売するプロジェクトを開始した。各社が茶葉や甘夏などを原材料に使った独自のクラフトサケを用意し、目標とした33日間で100万円を開始直後に達成した。

同協会は醸造技術の供与や資金調達面などをサポートし、10年以内に各都道府県に一つクラフトサケの醸造所設立を目指す。8月には秋田県でPRイベントを開くなど若年層や女性といった新たな需要を開拓し既存の日本酒業者との共存関係構築を目指す。協会の岡住修兵会長(稲とアガベ社長)は「クラフトサケを文化にしたい。酒類製造者が自由に醸せる未来を作っていく」と話した。

協会によると、国内の清酒製造場数と出荷数量はいずれも直近20年間で半減している。