日本生活協同組合連合会(以下、日生協)のコープエシカル消費対応商品の前期供給高(売上高)は前年比101%(2千36億円)となった。エコマークが前年比134%、FSC認証116%と大幅に伸長している。エシカル消費対応商品については「組合員の需要が非常に高い」(藤井喜継代表理事事業担当専務)ことから、今後も拡大を図る考えで、2022年度の総供給高は前年比105%(2千137億円)が目標。水産分野のエコラベル認証対象魚種の拡大、冷凍かき揚げなどでMB(マスバランス)ランクのRSPO認証パーム油の利用拡大などを進めていく。
日生協は前期、「コープサステナブル」シリーズを開発した。(同シリーズは)「海の資源を守る」ということでMSC認証などの海のエコラベル、「森の資源を守る」ということでFSC認証などのエコラベル、「Organic」「リサイクル材使用」の商品を発売。2021年度末現在で目標比127%となる127品目を発売したが、特に力を入れたのがパーム油。「即席麺や冷凍食品などの揚げ油に利用するということでRSPO認証商品の拡大に努めた」(同)としている。2022年は「サステナブル元年」と位置付け、既存商品のデザイン変更、新商品開発などを進めて前年比73品増の200品以上を目指す考え。
水産分野のエコラベル認証対象魚種の拡大では今期、国産しらす、かつお、サーモンなどMEL認証ロゴ付き商品、エビ、サーモンのASC認証ロゴ付き商品を順次発売。RSPO認証パーム油は利用拡大を進め、2025年「パーム油を主要原料とする食品のMB比率50%以上」という目標に対し、主力品を切り替えることで40%超を目指す。
容器包装(プラスチック)問題対応では昨年10月、主力商品の「CO・OP ラベルのない麦茶(国産六条大麦使用)600㎖×24本」を再生プラスチック100%使用ペットに変更。同商品はペットボトル飲料として国内初となるエコマーク認定を取得。このほか、米袋の肉薄化など使用量削減の取り組みを推進し、再生・植物性由来プラへの切り替えは、21年度内に273品増加、プラ包材対象商品4千700商品のうち512品まで増加した。
コープ商品に使用するすべての紙(製品・容器包装・段ボール)については、再生紙またはFSC認証紙の使用を進めており、21年度末までに全体に占める使用率は87.5%まで上昇している。
再生・植物由来プラへの切り替えについては、2030年度の目標50%達成に向け今期は910品(400品増)を目指す。サイズや厚さの縮小、紙化、トレー除去など可能な手段を駆使し、プラスチック使用量の削減を進めていく。また、会員生協と協議し、生協で回収したPETボトルのコープ商品包材での再生利用促進やリユースの仕組み作りも検討する。
このほか、サプライチェーンの人権・環境問題への対応強化に向け、海外原料のリスク評価と対応強化、問題発生時の救済システム(グリーバンスシステム)の検討も進める考えだ。